3話 なんで妹とお風呂に入ることになったの?

あの後しばらく雑談が続いていたが、お母さんが席を立ち、ようやく終わりが見えてきた。…のだが、唐突に瑠奈がこっちを向いてくる。


「そういえば…」


「ん?」


「お兄ちゃん昨日お風呂入ってないでしょ?ダメだよちゃんと毎日入らなきゃ!」


…?なんでそのことを知ってるんだろうか?


「…うん。だけどなんで知ってるの…?」


「そんなのどうでもいいよ!一緒に入ろう?お風呂。」


「はへ…?……?」


思いもよらない発言に、頭がショートしそうになる。

しかも話が飛躍しすぎじゃない…?

もしかして、僕は風呂すら1人で入れないように見えるの…?


「なんでさ!風呂ぐらい1人で入れる!」


「でもお兄ちゃん、髪ちゃんと洗えるの?今までの感覚で洗うと確実に傷んじゃうよ?それに肌も。女の子の肌は繊細なんだよ?ね?一緒に入ろ?」


「なんでそんな一緒に入ることに拘るのさ…

まぁ髪も肌もちゃんと洗えないかも…いや、多分洗えないけど…

でも瑠奈はいいの?年頃の男女が一緒に風呂に入るなんて恥ずかしいでしょ?」


「何を言ってるの?今は女の子同士でしょ?」


瑠奈が変な物を見るような目で見てくる。

いや、おかしいでしょ…


「僕は男なの!体は…女の子になっちゃったかもしれないけど!」


「いいから、いいから。諦めなよ?」


そう耳元で囁かれながら半ば強引に、脱衣場兼洗面所に連れ込まれる。

なんで…兄の威厳はどこに…

と、物思いにふけていると、

布の擦れる音がして、咄嗟に目を瞑る。

僕は瑠奈が服を脱ぎ始めたんだと思っていた。

必死に目を瞑っていると、

僕の腰の辺りに何かが触れるような感覚が…ん?


というかこれ…脱がされてない!?


「あ、あの瑠奈さん…」


目を瞑りながらも瑠奈に聞いてみる。のだけど返事が返ってこない。…なんで?

そうこうしてるうちに完璧に全裸にされたようだ。

女の子の裸を見てしまう申し訳なさと、妹に服を脱がされる情けなさから目を開けずに居ると、

どうやら瑠奈も服を脱ぎ始めたようだ。

(本当に一緒に入るつもりなのか…)と内心で思いつつ、一難去ったことに安堵しながら瑠奈の準備を待つ。思っていたよりも早く瑠奈の準備が終わったようなので、そのままズルズルと引き摺られながら、お風呂に連れ込まれた。



お風呂に入ってからは、目を瞑っているとなぜか注意されるので、出来るだけ自分の体、瑠奈の体を見ないようにするため、浴槽に浸かっていることにした。


瑠奈が髪、頭、体の順に洗っている間、

僕は手をぐーぱーぐーぱーして時間を潰すことにした。…のだけど思ったよりこれが楽しい。ただ手を動かしているだけなんだけど、頭がほわほわしてきて楽しい…というか気持ちい?


「━━━ちゃん!お兄ちゃん!終わったよ!…じゃあ

お兄ちゃんの番だね…?」


そうこうしてる間に瑠奈が洗い終えたらしい。

なぜか手をワキワキ動かしているのは…触れないでおこうかな…


「━━━━━━━…

つ!ま!り!男の人と女の人だと、皮膚の厚さが

全く違うから力入れて洗いすぎるとダメだよ!

…って聞いてる?」


うーん…?ぼーっとしてたのかな?無意識に目を開けてしまう。案の定眼前には裸の少女

と姉のようにも見える裸の少女瑠奈が飛び込んでくる。

「…わ、わ」


「ってお兄ちゃん?大丈夫?のぼせちゃったのかな?

━━━━お母さーん!お兄ちゃんがのぼせちゃったー!」



「ん、うぅ…?」


ゆ、夢?よかった。女の子になっちゃう変な夢だった…ありえるわけ無いもんね。


「お、起きたね。体調大丈夫?」


現実だったみたい…




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とりあえず入れたい話は全部書けたので、次話から

本格的に話進めていきます。

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