2話 流石に見た目変わりすぎじゃない…?
「なんじゃこりゃー!?」
しばらく叫んだらようやく冷静になってきた。
もう一度鏡に目を向けてみる。…怖いけど
鏡に映った少女は、少し白みのかかった長い髪を背中の辺りまで伸ばしている。…アホ毛も生えてる…
超がつくほどの美少女の瑠奈を見慣れている僕が見ても、同等、もしくはそれ以上の美少女っぷりだ。
「る、瑠奈…どうなってるの…?」
「知らないよ…お兄ちゃんが何かしたんじゃないの?」
ここで騒いでいても無駄な気がして、瑠奈にリビングに行かないか、と提案してみる。瑠奈も納得してくれたので一緒に行くことになった。
◆
リビングに着くとお母さんが洗濯物を畳んでいた。
のだけど、足音を聞いたのかすぐにこちらを振り向いた。案の定さっきと同じようなやり取りが始まった。
「お、瑠奈、未…」
お母さんは姿勢を正してもう一度話し始めた。
「あら瑠奈、そちらはお友達?随分可愛らしい子ね」
あれ?瑠奈の友達だと思われてる?
「ちょっとお母さ…」
急いで訂正しようと声を上げたら、それに被せるように瑠奈が訂正してくれた。
「お母さん違うの、私もまだびっくりしてるんだけど
実はお兄ちゃん、朝起きたらこんなんになっちゃったみたいなの。」
『こんなん』って…それに焦ってるせいか説明が抜けてるところもあるし…案の定お母さんが問いただしてきた。
「えっと…まだ理解できてないんだけど、、その子は未来なの!?…なんで性別が変わってるの!?」
やっぱりそうなりますよね…その後はお母さんが落ち着くのを待ってから、朝食を食べながら話すことになった。
◆
朝食を食べながらお母さんに説明を続けた。瑠奈も一緒になって説明してくれたけど、時間がかかったから案の定朝食のパンはシナシナになっていた。
「……だいたい分かったわ…それで未来。何かこうなった心当たりとかないの?」
うーん…ちっちゃくなっちゃった手を
そういえば唯一心当たりがあるとすれば、昨日のあの願い事…は違うね。願った事全く違うもん…。
となると特に心当たりは無いかな…
「うーん…特には無いかなー」
「そう」
妙にそっけない反応が帰ってきて思わず顔を顰める。
そういえば今僕は瑠奈と横並びに座ってるんだけど…
瑠奈ってこんな大きかったっけ…?元々僕は170cmぐらいで、瑠奈はだいたい160cmらしいから約10cm差あったんだけど、今は逆に僕の方が瑠奈に10cmぐらい差を付けられて負けてる気がする。
「これじゃあ未来が妹みたいね…」
お母さんがそう呟いたんだけど…そんなに僕ってお兄ちゃん感ないの…!?思わず僕は不貞腐れたように反論する。
「僕はお兄ちゃんだもん!!」
2人が凄い見てくる…そんなに僕変な事言ったかな?
しかも瑠奈は頭まで撫でてくる…なんで…兄の威厳が…ん?なんか頭で引っかかったような、
そうだアホ毛だ!アホ毛!
そういえばなんでアホ毛があるの!
アニメのようなアホ毛だし!
「ちょっと瑠奈…」
「ごめんねおに…未来ちゃん。そんなジト目で見てこないで。ね?」
「みっ未来ちゃん!?僕は兄だよ!!ちゃん付けなんて女の子みたいじゃん…」
僕がキーキー言ってる間ずっと眺めてたお母さんがようやく口を開いた。
「ほら瑠奈も、いくら未来が小動物みたいで可愛いからって、ちょっかいかけすぎよ?未来も不貞腐れない。ね?折角の可愛い顔が台無しじゃない」
「…小動物!?
そもそも!なんで僕は未来って名前なの!
これじゃ完璧に瑠奈の妹みたいじゃん!」
「そんなことより、お兄ちゃん学校はどうするの?
今までと同じ感じで通う訳にはいかないよね?」
「そんなことって…
まぁ確かに学校どうしようかな、お母さんなんか
「ある訳ないでしょ?第一こんな意味不明な状況に
なるなんて誰も想像付かないわよ?」
うーん確かにそうだけど…どうしようと悩んでいると
瑠奈が口を開いた
「じゃあ私の妹として1年からやり直せばいいんじゃない?同じ学校なら私がサポートできるよ?」
「いい案って言いたいけど、なんで僕が妹になる前提で話を進めてるの!!」
「未来、諦めなさい。もう一度鏡見てご覧?どう見ても瑠奈の姉ってのは無理があるでしょ?」
「そもそも!僕は男なの!兄なの!
姉でも妹でもない!」
「その姿で男って言われてもねぇ…ね?瑠奈?」
「そうだよお兄ちゃんも諦めなよ!」
「分かった!分かったよ!だけど妹で居るのは学校でだけだからね!家ではお兄ちゃんって言ってよ!」
「分かったよ未来ちゃん一緒に学校行くの楽しみだね?」
「今は家!」
まだ朝なのに凄い疲れた…
ん?そんな簡単に1年として登校できるの?
まだ問題は山積みなんじゃ…
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