友達が欲しいとお願いしたはずなんだけど…

1話 あれ?体に違和感が…

✂ーー7時に設定したアラームが部屋中に鳴り響く。


「んー…」


重い体を起こしてベッドから体を起こす。そのまま立ち上がってみたんだけど…


「あれ…?」


視線が低い気がする、というか部屋が大きい?

いつもと違う感覚に転びそうになってしまう。

寝ぼけているのかなとまぶたを擦って辺りを見渡す。首を動かすと同時に、僕の肩、背中を何かがサッと撫でる。首を傾げながら必死に何が起きているか考えてみるんだけど、分からない…。


「朝ご飯出来たよおに…」


急に扉が開くからびっくりして体を震わせてしまう。

ノックもせずに、いきなり入るのは如何なものかと思うけど…そんなことよりなんで瑠奈は言葉を止めたのだろうか?というより固まってるけど…固まっている瑠奈に、話しかけようとする僕より先に瑠奈が動いた。


「…え、、誰?」


え?15年一緒に過ごしてきたのに、酷くない?少し涙目になりながらも、僕は瑠奈に問いただす。


「流石にそれは酷くない…?」


あれ?僕ってこんな声だったっけ?声がいつもより高い気がする。元々男としては高い方だったけど、流石にもうちょっと低かったよね?


「酷くないって言われても…貴女はお兄ちゃんの部屋で何してるの?お兄ちゃんはどこ?」


「???…?お兄ちゃんは僕なんだけど…」


「「???」」


ここに第三者が居たのなら2人の頭の上にクエスチョンマークが浮かんで見えたことだろう。



「えっと、じゃあ貴女がお兄ちゃんって言うなら、私とお兄ちゃんしか知らない事とか言ってよ!」


2人が落ち着いてから瑠奈が再び僕に聞いてくる。


「うーん…僕と瑠奈しか知らないこと…つい最近まで瑠奈が、ゲリラ豪雨をゴリラ豪雨と間違えて呼んでた事…?」


瑠奈の顔が赤くなっていくのが分かった。と同時に瑠奈が口を開く。


「そ、その事を知ってるのはお兄ちゃんぐらいだけど…信じられないけど、じゃあ貴女がお兄ちゃんってのは本当なのね…」


なんで2人の秘密がこんなゴリラ豪雨なんだろうか…それになぜ瑠奈はこんなにサラッと信じてしまうのだろうか…ん?なんでこんな事聞いてくるんだ?


「ん?そういえばなんで瑠奈は、僕をそんなに疑うように聞いてきたの?僕が佐藤未来みくなのは姿を見ればすぐ分かるよね?」


「え?もしかしてお兄ちゃんまだ気づいてないの…?」


気づくって何に?そんな疑問に悩んでいると、瑠奈が鏡の前で手招きの仕草をしてくる。鏡がどうかしたのかな?鏡を瑠奈の背中の後ろから覗いてみる。


「なんじゃこりゃー!?」


その鏡には男の僕では無い、『少女』の姿があった。

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