意味
ダンとベルという双子がいた。あるとき、ベルが言った。
「どちらがより重くなれるか勝負しよう」
ダンは快く引き受けた。ベルも鼻息を荒くした。“1年後にまた会おう”と言って2人は別れた。
ダンは身体を重くするため、筋トレをし始めた。彼は限界まで身体を痛めつけ、回復したらまた痛めつける、という生活を続けた。一方、ベルはたくさん食べまくることで体重を増やそうとした。彼は限界になるまで食べ続け、またおなかに空きができたら食べ始める、という生活を続けた。
1年が過ぎ、ついに勝負のときがきた。しかし、決戦場には誰も来ない。野原の草がさらさらと揺れる音だけが聞こえた。
ダンは筋トレのやりすぎで身体中の腱を壊してしまい、歩けなくなっていた。ベルもまた太りすぎで膝を壊してしまい、歩けなくなっていた。2人はベッドから離れることもできず、ただ天井を眺めることしかできなかった。2人は思った。
「なんでこんなことしてたんだっけ」
意味のなくなった体重計が自分の出番はまだかと、ただ1人うずうずしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます