ガウェイン
ガウェインは
アクロは屋敷に着く直前に、
巨大な門を
案内されて屋敷の大きな入口の扉を通ると、そこは目の前に巨大な
「さあさあ、着きましたぜぇ、旦那!
そこには様々な絵画などの芸術品が飾られ、両壁に大きな扉、正面中央の階段の左右に奥へと続く廊下、階段を上った二階部分はエントランスを囲み見下ろせる通路になっており複数の扉があった。
天井が高い。
「おいおい……これは
それから左の扉へと通されると、また廊下が続く。
屋敷の門の外には警備の
(いったい……どういう事だ?)
すれ違うヒトを見て、ガウェインは不思議そうに首を
そのままガウェイン達は突き当りの部屋に通される。
「いらっしゃいませ、私、メイド
部屋に入ると、大きなテーブルを挟む様にソファーが二つ置かれた客人用の応接室で、赤髪のミドルヘアーで眼鏡をかけた、ソバカスの目立つ女のヒトが待っていた。
ハッキリとしていて、しかし
「旦那様がご
「ありがとうございます。旦那様も大変、首を長くして待っておられました。帰って来られたらとても喜ぶことでしょう」
ガウェインは
「それでは
エリスはテーブルの上に置いてあった大きな袋を差し出した。
袋の中身を確認して
「一つ
ガウェインは屋敷の中に入ってからの違和感について尋ねた。
「おと……旦那様は決して、私達ヒトに
エリスは胸を張って
「ほう、屋敷の中で
ガウェインはアクロを見て、
「それでは今後とも、どうぞご
ガウェインは先に馬車に乗り、
「本日は誠にありがとうございました。それではお気をつけてお帰り下さい」
エリスが別れの挨拶を終え、ガウェイン達の馬車が走り出した。
「あら……旦那様。ひと足、遅かったわ」
ガウェインが馬車の窓から美しい庭を
「おいおい……こいつはまた……。盟主様……か。確かにこいつは……セレン、お前もつくづく……」
馬車の中で
「ど、どうなさったんで!? ガウェインの旦那! そんな険しい顔をなさって……。怖っ!!」
「おう! 元気だったか? チビスケ
ガウェインの前に、幼い少年と少女がワイワイと駆け寄ってきた。
「わーっ! じいちゃんだ! じいちゃん! その目どうしたの?」
元気でワンパクなお兄ちゃんのガロウが
「あぁ……これか、ちょっと目の病気になったんだ。お父さんはいるか?」
子供達は、自分達が母や祖母と同じ先天性の病気だとは知らない。
「そうなんだ、早く治ると良いね!!」
ガウェインは特別、眼の事は気にしてはいないのだが、子供達が見れば大騒ぎになると思い、わざわざ事前に眼帯を
「父ちゃーん! ガウェインじいちゃんが来てくれたよー!」
ガロウは父親を呼ぶ為に家の奥へと
「じぃじぃ」
ガロウの後ろに
「なにしにきたの?」
ガウェインはガレリアを
「ん〜? お父さんにちょっと用事があってな……」
ガウェインは容姿も性格も妻ガレア、娘ガリアの生き写しなガレリアにはめっぽう甘い。
「お
「いや、何……大した事じゃない。それより、いいか……?」
ガウェインはガレリアを降ろし、ガフィールに目配せで合図を送る。
「ガロウ、ちょっとガレリアと一緒に奥で遊んでなさい。父ちゃんはおじいちゃんとちょっと大事な話があるからな」
ガロウはガレリアの手を優しく引いて、奥の部屋へと
「お
ガウェインは、背負っていたバッグの中から大きな
「これで、あの子達を頼む」
部屋の壁や
「こ、これは!? どうしたんですか! こんな大金!!」
ガフィールは思わず声が大きくなり、慌てて手で口を塞いだ。
「何……。お前達が気にする事じゃない」
ガウェインは一瞬、外を気にして窓を
「俺は妻も娘も救ってやる事が出来なかったからな……。これは、その
ガウェインは部屋の壁に
「それと、当分の間、お前達に会えなくなる」
ガウェインはガフィールに
「それは……これと何か関係が?」
ガフィールは、
「いや違う、これとは全く関係ない、心配するな」
ガウェインは大きく手と首を振って否定する。
「一つやり残した事があってな……その為だ。だから、子供達の事は頼んだぞ……」
ガフィールはその言葉に、何か強い
「分かりました! ありがとうございました!」
ガフィールもその言葉に大きく
「でも、決して
ガウェインは、娘は良い男を
「あぁ……分かった……」
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