第11話 埋もれないキャラ
本日は、キャラ作りのあれこれに触れようかと思います
1作を作り上げるのに、最低でも複数の登場人物が必要になると思いますが、恋愛小説を書くうえで、一生懸命書いているのに、中盤以降にパッとしないキャラっぽくなりがちになりませんか?
誰でも最初は200%くらいの意気込みで書き始めるので、キャラの個性もセリフも心情も丁寧に描かれているのですが、中盤からクライマックスにかけてエタる作品の1つは、キャラの独自性が薄れていることがあります
もちろん、ストーリーに煮詰まったり、間の繋ぎが上手くいかないとか、理由は他にもあるかと思いますが、それは構成の段階でしっかりと練っておくべきポイント
キャラの設定も書き始める前にきちんとつくり上げる必要はありますが、書き手と読み手の温度差は多少なりともあるのですよね
ぶっきらぼうな高圧的なヒーローで書き始めたのに、ヒロインに恋に落ちた途端にデレデレになり、高慢な口ぶりが面白かったのに、それが無くなって面白さが半減した、だとか
塩対応のクールなイケメンだったのに、ヒロインだけでなく、他の女の子にも優しくて特別感が希薄になった、など
読者目線だと、ヒロインとヒーローの恋愛が読みたいわけなので、甘いシーンは必須ですけれど、そこへの誘導の仕方に工夫がないと、どうしてもダレてしまいます
これを書いている蓮条でも、キャラブレはよくあることで、その度に一時停止して練り直しております
光る作品、魅力あるシーンには、必ずブレない芯があります
それが作品カラーになり、愛されるキャラになったりするのですが、これが一番分かりづらくて難しいところです
例えば、主人公二人の出会いが『おい、お前、そこで何してんの?』と入りはかなり俺様ちっくな口調のヒーローだとして、ちょっとヤンキーのような孤高の狼のようなキャラ設定。
それが、ヒロインに恋に落ちることで溺愛モードが発動(よくある王道です)
中盤以降でアイス屋さんに誘う展開があるとして、『アイス食べる?』みたいに、ヒロインの気を引く展開を書いてもセリフに重みが無くなってることが多々あります(荒っぽさより、優しさが勝ってしまうこと)
ここでブレてしまうのは、高圧的なヒーローが地にあることがスコーンと抜けてしまうからです
でも、好きな子には優しくしたいし、嫌われたくないから、ソフトな物言いになってしまう、という状況
そこがブレの起点なのですよね
優しさを盛り込みながら、ヒーローの美味しいところはしっかりと残しておく
これが理解出来て書けるようになると、キャラの心理描写もぐっと幅が広がります
『アイス食いたいから、付き合え』だとか
『お前、アイス欲しそうな顔してんな』とか
『○○のアイス、食いたいって言ってなかったっけ?』と、嫉妬を
キャラの設定は崩さず、ラストまで一本の筋を残すとブレ感がだいぶ減らせます
その上で、『連れて来た甲斐があったな』だとか
『そのアイスに嫉妬しそう』だとか、ヒロインが美味しそうにアイスを食べる様子を見ながら破顔し、ぼそっと呟く展開が美味しいのです(デレの後出し)
最初から優しいヒーローの設定の場合は、柔らかい物言いの中に変化をつけなければなりません(そこがキャラの心情に直結するので)
最初から最後まで完璧に優しい王子様との溺愛となると、シーンの構成の中で工夫が必要になります(マイナスとプラスの構図のこと)
読者は恋愛の中での刺激を求めています
もちろん癒しも必要ですけれど、多少の
最初からキャラつくりが苦手な方
何頁か前にもお伝えしましたが、最初から大人数のキャラつくりは過酷なので、数人に絞って味を出す方法を掴んでからでも遅くありません
セリフでもキャラでも心理描写でも
ぐだぐだによれるものは、書籍化には不向きです
是非、そんなところを気にして創作してみて下さい
きっと、キャラのよいところがもっと引き出せるはずです
最後に、キャラ設定の段階で、メリットもデメリットも書き出しておくこと
推したい性格の部分だけではなく、隠したい部分もきちんと把握しておくことが大事です
その部分がストーリーの中で味を利かせて、主人公に意外性な一面を垣間見せたり、恋に発展する部分であったり。
優しくて頼りがいがあるから好きになった、では読者の心に響きません
これも前に記載しましたが、ダメな部分もちゃんと受け入れて貰える人と、赤い糸が結ばれるのが恋愛の鉄則です
一方的に好きというベクトルでは、恋のバロメーターは増えても、恋愛のバロメーターは満タンにはならないというやつです
今回はキャラのあれこれを掘り下げてみました
1フレーズでもお役に立つといいのですが……
素敵な恋模様が1シーンでも多く書けますように
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます