第5話 登場人物の配分

 これまで『恋愛小説』を書くにあたり、

 構成に関することと、概念のようなものに触れましたが、

 今回はズバリ、キャラの部分にスポットライトを当ててみます


 作品を書くためには、その物語に登場する人物が必要ですよね


 ヒロインやヒーローだけではなく、

 ヒロインの交友関係、ヒーローの交友関係、

 家族やご近所さん、バイトや職場の人達やその他大勢の人々が。


 地の文が丁寧に書かれていて、その流れがストーリーに合っていれば、自然とキャラの性格や設定がスッと入り込んで来るでしょうが、

ここが難しく、挫折しがちなポイントなんですよね


 登場人物が多いと、それだけ設定を説明しつつストーリーを進めねばならず、

もちろんセリフも格段に増えるので、ストーリーが進まないのにページ数だけが嵩むなんてことが多々あります


 あとは視点切り替えなんてこれにプラスしたら、起承転結どころではなくなってしまいますよね

 行ったり来たり、あっちの子に話させて、こっちの子にも話させて。なんてやってたら、ストーリーで何が書きたいのか霞んでしまいます


 とある有名なプロ作家さんが口癖みたいに言ってたのですが、

 1章に多くて5人まで、それ以上登場させたら、内容が消える、というもの。

 それくらい、配慮が必要ということなのでしょうね


 登場人物が多く、それぞれにキャラ立ちしていて、話がテンポよく進む。

 これが出来たら、アマチュアレベルではないですよね

 ヒーローとヒロイン、その二人を援護する友人らを上手く活かすことですら、かなり難しいですから


 さらに当て馬や家族、学校の同級生やら先輩やら、職場の人やらをいきいきと描くには、相当練り込まないと書けません


 そこに注力できるのであれば、ヒロインとヒーローにもっと愛情を注ぐ方が作品がぐっと良くなります

 要するに、力の入れどころをきちんと配分するということです


 あれもこれも、あっちもこっちもではなく、

 あくまでも主人公二人をきちんと描くことが第一で、

 サブキャラたちはあくまでも色付け、いい味が出るためのスパイスだということです


 何作も書いていて、要領が掴めて来たら、脇役の子たちにも愛情を徐々に注ぐことをお勧めします

 一度にではなく、少しずつね

 1人に1癖、これで十分です


 キャラ設定を掘り下げることよりも、本文のシーンに厚みを出させたり、

 セリフに重みを利かせたり、心情を丁寧に書くことをお勧めします


『あの作品のあのシーン、すごくいいよね~』と言われたら、嬉しくありませんか?

『あの作品の、ヒーローの親友の子がカッコいいんだよね~』これではヒーローよりサブキャラが目立ってますよね


 名脇役のキャラがいてもいいのですよ

 けれども、主人公は当然魅力的でなければなりません

 そこをはき違えてはいけない、ということをお伝えしたいのです


 それから『恋愛小説』には、必ず恋のライバルになる人物が必要です

今の時代では『当て馬』だなんて言いますが、必ずしも悪役でなくてもいいのですよ

 好敵手と言われるような、切磋琢磨するライバルだって当然いていいですし、

憧れの存在であってもいいのですよね


 ライバル=嫌味な奴、貶めるような相手、と勘違いしている人も多いのですが、

別に喧嘩するような仲でなくてもいいのですよ


 主人公が恋愛を通して、成長しながら恋や愛が深まる要素になればいいので。


 一昔前は、汚い手を使って気を引いたり、主人公に嫉妬させたりして、感情の爆発を誘引させるのが流行りましたが、今はもう王道すぎて痛々しいです

そのもう一歩先を衝かないと、読み手の心は掴めません


 先日完結した、拙作『オーバーキル』には、嫉妬させるようなライバルは登場しません

冒頭の部分に、ヒロインの片想いの相手の恋人という設定はありますが、本編でのライバルはあくまでも『病と心』です

見えない敵を相手に、如何に主人公が恋愛で成長するか、そこが見所です

恋愛小説ですが、必ずしも人物同士がバトルするという形でなくてもいい、という見本をあちらから引っ張って来てみました


 シンデレラストーリーではないし、王道の設定でもないですが、胸きゅんなポイントと恋心の部分は丁寧に仕上げてあります

 

 売れるか売れないか、では言えば、まぁ売れないでしょうね(笑)

 どこのレーベルの好みからもちょっと逸れているので(笑)

 それでも、色々な恋があっていいと思うのですよ

 王道ばかりがいいというものでもないですし


 蓮条は、売れる作品を書いているわけではなく、PV数が欲しくて書いているわけでもないです

 あくまでも、書きたいものを書く

 伝えたいことを書く、ただそれだけ


 コンテスト向けに書き始めるならば、話は別ですけどね

新作で書くなら、照準は最低限合わせて書きますよ、もちろん

その気になるかは、また別のお話で(笑)


おっと2000文字になりそうです


ではでは、今回のテーマ『登場人物の配分』は~~

きちんと、注力する部分をはき違えない、というお話でした


次はどんなテーマにしましょうかね?

何かリクエストがあれば、ご一報下さいませ<(_ _)>

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