第4話 コンセプトを決める

 どんな小説でも、テーマやコンセプトというものは必要不可欠です

 時代やキャラの世界観と安易に考えていませんか?


 例えば、コンテストの概要欄には必ず『テーマ』が記載されています


 現在開催中の『中華・和風 恋愛小説コンテスト』では、

【中華】【和風】をテーマにした、と明記されています

そのすぐ下の欄に、とも書かれています


 中華や和風を舞台にした恋愛小説を自分が書きたいように書くのではダメなんです

あくまでも、『』がふんだんに盛り込まれている魅力的な作品が審査基準になるということ


 ですが、このというワード、曲者です

人によってときめくものが違いますし、それが審査員の目に留まらなければ、悲しいですよね

 

『ときめき』とは、期待や喜びで胸が躍る状態をさします

 わくわく、ドキドキといった感じの表現に置き換えることができますよね


 どのレーベルでも、審査基準は意外にも明確で、

・ドキドキする恋が描かれているか?

・個性的な魅力あるキャラになっているか?

・ストーリーにオリジナル性はあるか?

・エンタメ性はあるか?


 最低限でもこれらは必ず見られています

 コンテストに限らず、書籍化を検討する上でもほぼこれらは必須です


 異世界ファンタジー、転生もの、時代ものは専門外なので分かりません

 それはきっと皆様の方がお詳しいでしょうね


 テーマに沿ったコンセプトがしっかりと描かれている、これが重要です

 描写が多少足りなくても、伸びしろとして審査を通ることが多々あります


 描写に拘る、セリフに拘る、大事なことですが、

それ以上に大事なことは、テーマに沿ったコンセプトにブレがなく、軸がしっかりと描かれているか。これに尽きます


 そりゃあ、描写も丁寧に書けていて、セリフもバシッと決まっていたら満点ですが、そんな作品はコンテストに応募しなくても、サイトからスカウトが来ますから。オススメ掲載されたりね~


 何が言いたいかといいますと、家を建てる、ラーメンを作るのと同じなのですよ

(出たよ~、蓮条の例え話w)


 基礎工事と言われる土台をしっかりと築き上げる

 麺やスープに拘って仕込みをしっかりとする


 上に乗せた具や、建具やカーテンはどんなものでもいいのですよ

そりゃあ、それらも美味しかったり拘ったものなら尚いいですが、

あくまでも、最初のコンセプトをしっかりと築くことが大事です


 なぜなら、ときめきもドキドキも、きちんと把握して意識していたら

登場人物たちが自然とドキドキする展開を作り上げるようになるからです


 ここで一番のネックが、ドキドキが分からない

 ワクワクやきゅん、ときめきがどうやったら作り出せるのかが分からない

 そんな風に思い込んでしまう、あなた様。


 大丈夫ですよ。身近なもので代用してみて下さい

 可愛いヘアピン、美味しそうなチョコのお菓子、好きなアーティストの新曲。

 どんなことでもいいのですよ。恋や愛じゃなくても。

 その時に感じた、『わぁ~』と感激する気持ちがあれば、少なからず1シーンは書けますから。

 次から次へときゅんを盛り込むとなると、経験値と描写力が比例しますが、

まずは、1シーンからでも紡ぎ出すのが大事です


 ヒロインとヒーローが手を繋ぐ、というシーンがあるとします

『ん』と差し出されて、『はい』と簡単に手を乗せては、ときめきは皆無ですね

まずは、彼と手を繋ぎたいけど自分からはさすがに手を掴めない。

甘えることもちょっと無理、どうやったら気持ちが伝わるだろうという展開だとします


➀日中であれば、影を利用して彼の手の陰にそっと近づけて気づかせる

②冬場であれば、自分の手にハァと息をかける

③平坦な場所でも躓く


②と③はあからさまに彼女が女優にでもなったかのように演技をするのではなく、

作中で、自然にその展開を書くだけです

それにより、ヒーローがそっと手を握ってくれた、危なっかしい奴だなと自然と手を繋ぐシーンへと展開に進みます


 これをわざとらしく書いてはときめきが薄れるので、あとは作者様の力量次第


 ときめきは、些細なことで幾らでも量産可能です

 いつの時代も、乙女はきゅんとドキドキを求めます

 オトナ女子になると、それプラス癒しも必須になりますが、根底は変わりません


 高校生のヒロイン、ヒーローだとした場合、下駄箱シーン(昇降口?)があるとします。

 会話しながら、『今日、どっか寄ってく?』みたいな流れだったとして、

さりげなく、ヒーローがヒロインの靴を下駄箱から取り出して足下に置くだけでも、ときめき1Pですよね?

何気ない仕草の中に、潜むときめきを見逃さず、あちこちに忍ばせたストーリー。


『ときめき』を取り上げてみましたが、こんな感じで気負いなく、盛り込んでみて下さい。

 あからさまに、髪を撫でる、頬を撫でる、優しく微笑む、これでは全然足りません。その前後にもきゅんをプラスせねば、王道すぎて霞みます


 如何にブレずに意識するか。これを忘れずに書くことが重要です。


おっと、2000文字オーバーになりました


では、コンセプトはしっかりと把握し、あれもこれもではなく、

書くべきことをしっかりと書いたうえで、飾り付けをしていくことをお勧め致します


♢ ♢ ♢


このエッセイ、カクヨムコンテストに新作として参加できるように

できるだけ、構成の順序を追ってアップしていく予定です

今まで『恋愛小説』でトライしたことが無かった方、

興味はあるけど、恋愛小説自体書いたことが無かった方、

そんな方でも、形のある作品に仕上がるように進めていくつもりなので

是非、この機会にトライしてみては如何でしょうか?


2024.09.28. copyright(C)蓮条


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