#2
駅に着いた僕は、取り敢えず携帯を出してクラウドちゃんに『着いたよー』と書き込む。アイコンや投稿を見る限り、常識的な感覚を持ったお淑やか系のイメージ。五段階評価でいくなら3は固いんじゃないかな……あっ、カップはC以上じゃないと論外ね?
『私も着きました(*´꒳`*) 大時計の下にいます!』
ナイスタイミング!ここまで息ピッタリなら、僕達結構相性良いんじゃない?てか絵文字ちゃんと付けてくんの超可愛い。覚えてないとか思っちゃったけど、ほらきっと僕らの運命の糸が共鳴して呼び寄せたと思うから、これはきっと必然の出会いで一言でいえば遅咲きのロマンス。
都合よくロマンスの神様に感謝しつつ、人でごった返した駅の大時計まで歩く。目印となる時計に寄りかかって誰かを待つ連中は僕たちだけじゃなくって、どうすべきかと悩みながらチャットを開く。
『今大時計んとこ。クラウドちゃん、どんな格好してる?』
よしよし、これでクラウドちゃんが判るはず。時計の下に集まる人の顔が見える場所を選んで返信を待つ僕は、今ここに集まっているリア充達に溶け込んだ。
『白のトップスとベージュのタイトスカートですね(`・∀・´)』
白のトップスと、ベージュのタイトスカート……えっ待って、めっちゃ好み。こんな体のライン丸見えのエロエロを着こなしてるって事?血眼になって辺りを見渡した僕は、胸元ぐらいのふんわりとした黒髪がどストライクな長身の女の子と目が合う。
「あの……クラウドちゃん、ですか?」
クリクリとしたパッチリ二重の女の子は、恥ずかしそうに「えぇ」と笑って髪を耳にかける。
キターーーーーッ!!!
人生最大のビックチャンス!きっとこんな優良物件を逃したら、今度いつ釣れるか分からない大物。やっぱり、少し無理してでも話を合わせておいて正解だったな。本当、あの時の自分に感謝しかない。
「じゃあ、なんか食べにでも行きましょうか?」
下心しかない脳内を押さえ込んで、取り敢えず笑顔を作る。ちなみに僕の身長は163㎝なんだけど、クラウドちゃんはヒールを履いていないのに見上げる感じで大きい。本当は駅弁とかやってみたいけど、僕がそれをやるなんて、女の子がかなり小さくないとできないよなー。
「あの……クラウドちゃんって、身長いくつ?」
「えっと……172あります。やっぱり可笑しいですよね……」
ヤベェ可愛い……。今すぐ夕食の予定変更してホテルに連れ込みたい。何々その恥ずかしそうな顔……そーゆー顔されるとマジでそそるんだよね、いやマジで。
「全っ然!むしろ僕が小さいからクラウドちゃんに釣り合ってないなぁって思っただけ。クラウドちゃんはめっちゃ可愛いし、スタイル良くて可愛いと思う」
「褒めすぎですよ……『可愛い』なんて、初めて言われました」
「嘘!それ周りの輩、みんな見る目ないよぉ……僕だったら絶っっっ対、ほっとかないのに」
必至になって口説く僕を見て笑うクラウドちゃんは、可愛らしい手袋をつけた手で口元を押さえて笑う。うん可愛い。何度見ても可愛い。そして胸も尻もデカくてドチャクソ好み。
何はともあれ、それが僕の彼女に対する第一印象だった。
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