第27話  パーティー当日⁉ 六光の騎士の意外な一面!

 パーティー当日、猫耳ハウスは華やかな装飾で彩られ、準備万端だった。リリカとステラはゲストを迎える準備を整え、会場の最終確認をしていた。猫耳ハウスの広々としたリビングには、特製の料理や飲み物が並び、暖かい光が溢れていた。


「リリカ、そろそろかな?」


 ステラが時計を見ながら言うと、ちょうど呼び鈴がなった。リリカは頷き、玄関に向かった。


「楽しみだね。みんな私服で来るって言ってたし、どんな感じかな?」


 リリカはワクワクしながらドアを開けると、そこにはガレッド団長と六光の騎士たちが立っていた。普段は甲冑姿で見慣れている彼らだが、今日はリリカとステラの提案で私服での参加だった。ガレッド団長はシンプルな黒のジャケットを着こなし、六光の騎士たちもそれぞれ個性豊かな服装をしていた。


「ガレッド団長、皆さん、ようこそ!」


 リリカは笑顔で彼らを迎えた。騎士たちは私服ということもあり、普段の凛々しさとはまた違う一面を見せていた。男性陣はシャツやジャケットでスマートに決め、女性たちは華やかなドレス姿だった。


「皆さん、本当に素敵です!」


 リリカは思わず声を上げた。騎士たちは照れくさそうに笑いながら、リリカの感想に軽くお辞儀を返した。リリカはそのまま彼らを会場へと案内することにした。


「それでは、会場へご案内しますね。七名様、ご案内!」


 リリカが手を振り、七人を案内しようとしたところで、ふと気づいた。数えてみると、一人足りない。リリカは首をかしげ、もう一度人数を確認した。


「あれ?一人足りない……?」


 その言葉に、ガレッド団長と六光の騎士たちは一斉に笑い出した。


「リリカ様、その足りない一人というのは……」


 ガレッド団長が笑いを堪えながら言ったその瞬間、リリカは背筋にひんやりとした感覚を覚えた。気がつくと、いつの間にかセルフィが彼女の隣に立っていたのだ。メイド服姿のセルフィが、にこやかに微笑んでいる。


「えっ!?セルフィ、いつの間に!?」


 リリカは驚いて飛び上がりそうになった。セルフィはそんなリリカの反応を楽しむように、静かに頭を下げた。


「ごめんなさい、驚かせてしまいましたね。実は私も六光の騎士の一人なんです。普段はメイドとしてお手伝いしていますが、正式な場では騎士としての役割も果たします。得意な魔法は風の槍で、隠密行動が特技なんですよ」


 セルフィの言葉に、リリカは驚きと感心の入り混じった表情を浮かべた。


「本当にすごいよ、セルフィ。全然気づかなかった!いつもメイドとしてお世話になっているけど、騎士としてもこんなに頼りになるなんて」


 セルフィは照れくさそうに微笑んだが、その表情には誇りが感じられた。ガレッド団長が話を続けた。


「改めて、六光の騎士たちを紹介させていただきます。セルフィを含めて六人の騎士、今日はみんなプライベートな姿での参加ですが、いずれも国の誇りを持って戦う者たちです」


 ガレッド団長が紹介を始めると、六光の騎士たちはそれぞれ一歩前に出て自己紹介を始めた。


「私はラウル、団長の右腕として務めています。得意な魔法は風の属性で、風の刃を操り、素早い動きで敵を翻弄するのが得意です」


 ラウルは長身で落ち着いた風貌の騎士で、誠実そうな笑顔を浮かべた。続いて、長身の美女が前に出た。


「リリカ様、私はマリアです。六光の騎士の一員として、これからもリリカ様とステラ様をお守りします。得意な魔法は土の属性で、強固な防御壁を作り出すことができます」


 マリアは赤いドレスがよく似合う美しい女性で、優雅にお辞儀をした。次に、静かに佇む青年が前に出た。


「私はシリュウです。得意な魔法は土の属性で、地面から鋭い岩の槍を生み出して敵を攻撃します。隠密行動や地形を利用した戦術が得意です」


 シリュウは静かに一礼し、彼の穏やかな雰囲気が印象的だった。次に、快活な表情の青年が前に出た。


「僕はフレイです!得意な魔法は火の属性で、炎の矢を使った速攻が得意です。短距離戦闘では誰にも負けない自信があります!」


 フレイは元気に自己紹介し、その明るさが場の雰囲気を一層盛り上げた。まだあどけない少年が前に出た。


「こんにちは、僕はカイルです。得意な魔法は水の属性で、水の流れを操り、癒しの魔法も得意です。サポート役として皆を守るのが役目です」


 カイルは穏やかな笑顔で自己紹介し、彼の柔らかい雰囲気が場を和ませた。最後に、ガレッド団長が再び前に出て締めくくった。


「そして、私はガレッド。六光の騎士を束ねる立場として、これからも君たちを支えていくつもりだ。得意な魔法は火の属性と剣術の組み合わせで、炎の剣で敵を斬り裂くのが得意だ。」

「今日は君たちのパーティーを存分に楽しませてもらうよ。」


 騎士たちの自己紹介が終わり、リリカとステラは改めて彼らのことを知ることができて嬉しそうだった。


「ガレッド団長、皆さん、今日は楽しんでくださいね!」


 パーティーは和やかな雰囲気で進み、猫耳ハウスには笑い声とおいしい料理の香りが満ちていた。


 セルフィも騎士としての役割をこなしつつ、メイドとして奮闘している様子が、会場の雰囲気をさらに盛り上げていた。リリカとステラは、仲間たちと共に過ごすこの特別な時間を心から楽しんでいた――。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る