第5話 拝み屋ネタ
とある軽音楽部
「さき、半音ずれてるわ。もう少しギターでの音程を維持できない?」
「ご、、ごめん。」
「みきも。歌メロのAサビが全然嚙み合ってない。これじゃ秋の文化祭に間に合わないわよ。」
「ゆき、頑張ってみるわ。」
「もう今日の練習は切り上げましょ。」
ゆきはベースをケースに仕舞って、そそくさと部屋から出ていく。
「ねえ、みき。私たちのバンド、もう解散かなぁ。」
「そんなことないよ。ただ今は、タイミングが悪いだけよ。」
「、、、。」
「みき、もしよかったらこれから、カラオケに行って練習でも、、。」
「ごめん、さき。そんな気になれない。」
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とある繁華街
どうして私は、こんな賑やかな場所に来たのだろう。
なんとなく歩いてたら、いつの間にか、、。
「よ、そこのお姉さん。学生さんかな?かわいいね。名前なんていうの?」
みきは若い男に声を掛けられた。その男はロン毛でポロシャツに、、。
「、、、。」みきはシカトして通り過ぎようとした。
「僕はこの近くの店でホストしてるんだけど、良かったら店に来ない?君みたいな可愛い子をぜひ、店に招待したいなあ。あ、そうそう、君が”学生”さんって事は内緒にしとくからさ。」
「でも、、私、、。」
「さあさあ、今日は特別に僕の”おごり”だからさ。」
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ほすとくらぶ(仮名)
「シャンパン入りまーーす!」
「改めまして僕の名前は銀次(仮名)。源氏名が銀次。」
「みきです、、。」
「みきちゃん。どうしたの?何かあったの?」
「、、、。」
銀次のポケベルが鳴った。
「あ、ちょっと待っててね。みきちゃん。」
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男子化粧室
「馬鹿野郎!銀次。何やってんだ。」
「すいません。平次さん。最近の女の子、、お酒が強くて、、。おえ。」
「はよー、あの学生酔わして売掛金もっと賭けろや。」
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みきはじっと一人で座ってると、見知らぬ若い女性が隣に座ってることに気が付いた。
「あ、、あの、そこの席には銀次、、。」
”あの人は、、銀次さんは私だけの人”
「え?」
”お願い。この【絵馬】に【銀次】と書いて。お願い。”
みきはその絵馬を見ると頭がぼーとして、やがて深い眠りに着いた。
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「あの平次って野郎、むかつくぜ!ん?なんだ、、この音は?」
廊下から馬のひずめらしい音が、だんだんこちらに近寄ってくる。
「な、、なんだ?」ただならぬ雰囲気から固唾を呑み込みトイレ用具入れからデッキブラシを手に取る。
”ひひーーーーーん”
「ぐえ?!なんでこんなところに馬が?!」そして馬に跨る若い女性が銀次に言った。
”やっと会えた銀次さん。私と一緒に逝きましょ。”
「ひ、、人違いだ!や、やめろ!やめてくれーーーー!」
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