第2話
とりあえずレイラは風呂に入れられ、体を綺麗にして貰った。
「一旦はこれでいいかしら。」
レイラが鏡を見るとそこには綺麗な金髪で碧眼の美女が写っていた。
「これが……私?」
レイラは少し感動していた。するとメイドが
「では、ドレスの調整をさせていただきますね。」
そう言ってレイラの衣服をウェディングドレスに変えさせた。メイド達の手際の良さにレイラは戸惑っていた。
何やかんやでウェディングドレスの調整が終わると執事のロビンがやって来て
「早速ですが、作法の練習に入らせていただきます。」
と言うと練習が始まった。
だが、レイラにとって作法の練習は朝飯前だった。
というのもレイラの前妻に礼儀作法を幼い時から叩き込まれ、虐められた時も一人でひっそりと練習し続けていた。
「お疲れ様でした。明日は朝も早いのでもうお休みになってください。」
ロビンに言われ、ホッとしたレイラはメイド達に案内され客人用の部屋に入る。その部屋は彼女の想像以上に広く豪華なものだった。
「こんなところで寝て大丈夫ですか。」
「ええ。王子の花嫁ですから。」
そう言われその日は横になった。
次の日、王宮は朝から大忙しだった。
諸々の準備や確認、式の参加者の誘導など、メイド含め全員が働いていた。レイラも昨夜調整した最高級ウェディングドレスを身に纏い、まるでお姫様のようになっていた。
(まずい。緊張してきた。)
レイラの体が少しこわばる。
「緊張しているのかい?」
ルイも式用の正装に身を包み、レイラに優しく微笑む。
「大丈夫です。」
僅かな沈黙の後、レイラが口を開く。
「……やっぱり私なんかで大丈夫なのでしょうか。」
するとルイがレイラの手を握り、
「大丈夫さ。君は僕が選んだ最高の花嫁だから。」
ルイは続ける。
「正直言えば、ドリーの代役なんてガワだけ綺麗に見せればそこそこどうとでもなるんだ。けど、君は違った。君の姿が綺麗に見えた。それに、君の所作は完全に貴族のそれだ。だから君は胸をはって結婚式に出るといい。」
「準備ができました。」
教会の職員に促され、教会の扉を開ける。
そこには、
神父の前に立ち、誓いの言葉を言うと神父に
「では。誓いのキスを。」
会場のボルテージが上がる。結婚式の最大の見せ場にレイラの緊張も高まる。
「あのっ。王子様……。」
「大丈夫。僕に身を任せて。」
そう言うとルイはレイラの唇を塞ぐようにキスをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます