トラック2:強制歯磨きと洗顔こうげき!

3:引きこもりゲーマーな妹の再挑戦

(※勢いよく扉を開けてあなたの部屋に妹が現れる)

(SE:扉を開く音)


たのもう~~!


おはようお兄ちゃん!


早速だけど、今日も私と勝負してもらうよ!

昨日は運悪く負けちゃったけど、今度こそボッコボコにしてやるんだから!


――あれ、お兄ちゃんってば、まだ眠ってるの?

うりうり~、ほら、もう朝だぞ~!

そろそろ起きないと寝坊だぞー。


休みの日くらい寝かせて欲しい?

だーめ、今からお兄ちゃんは、私とゲームをするの。


昨日の勝負は……そう、私は本調子じゃなかったの。

あれは本気のプレイじゃなくて、手加減してあげてたんだから。


思った以上にお兄ちゃんがゲームをやりこんでたみたいだから、うっかり負けちゃったけど……、今日はそうはいかないからね。


あのまま負けっぱなしなんて、私のゲーマーとしてのプライドが許さない。

今日こそ勝って、お兄ちゃんよりも私の方が強いって、証明して見せるから!


そうと決まったら早速やろ?

ほーら、コントローラーを握って……!


(※あなたは目を擦りながら起き上がる)


え? もう対戦する気はない……って。

はぁ~~? 私から勝ち逃げするつもりぃ?

そんなの、絶対許さないんだけど。


あーー、もう。お兄ちゃんに拒否権なんてないんだから。


ほら、対戦始めちゃうよ?


ルールは昨日と同じ。

負けたら勝った方の言うことを何でも聞く、ね。


たしかに、昨日はちょ~~っとだけ、お兄ちゃんの方が強かったかもしれないけど、今日はそうはいかないから。


私の100%の全力で、ボッコボコにしてあげる。


(※独り言っぽく)


ひひひ……本気の私に勝てるのはネットのユーザーでもごく一部だけ。

お兄ちゃんなんかが私に勝てるわけないんだから。

あまりの実力差に絶望しながら、私の足元に跪く姿が楽しみだわ!


***


ま、負けたぁぁー……。

しかも、完膚なきまでに叩きのめされた……。


どうして?

こんなことってある?

私がお兄ちゃん相手に連敗するなんて……!


(偶然勝っただけだと慰める)


まぐれで勝っただけ……って。

このゲームは、そんな偶然勝てちゃうようなゲームじゃないのー!

一体、どうしてそんなに強いの……?


う……というか、勝負に負けたってことは……。

また何か罰ゲームを受けないといけないってことだよね。


……こ、今度は何をすればいいわけ?

耳かきは昨日済ませちゃったし、変な命令はしないでよね……。


あれ、ちょっとお兄ちゃん?

そんな、しれっと布団に戻って、何をする気なの?


お、おーい。

ねぇ、ねぇってば!


私を無視して眠らないでよ!

もう、早く起きてってば!


(※ゆすって起こそうとするが、全く起きる気配がない)


ね、眠っちゃった。

私のことを無視するなんてぇ……!


……あ、そうだ。


(※ドタドタと姿を消す)

(SE:足音)


(※戻ってくる)

(SE:足音)


じゃーん。

そんなに眠いんだったら、私がお兄ちゃんを「気持ちよく」目覚めさせてあげる!


ふっふっふ……可愛い妹が起こしに来てくれるのって、世界中の全男性が羨ましがるシチュエーションじゃない?

中には「お金を払ってでも起こされたい」って人がいるって、私、インターネットで見たよ。


というわけで、今回は私に気持ちくよく起こされてみない?

ね、いいでしょ?


厄介なお願いされたら面倒……こほん。

私、お兄ちゃんのこと、癒してあげたいなぁ~~。


無言は肯定とみなすよー……?

ほら、お兄ちゃんはそれでいいの?


(※無言で肯定する)


じゃ、契約成立~!

お兄ちゃんのこと、ばっちり目が覚めるようにしてあげるから……覚悟しててよねっ!

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