第7話 鮫島と言う男/【炎の魔神について語るスレ】
「よっ、大丈夫か?」
どこかで聞いたことのある声。振り返り、思い出す。ライフル銃を片手に携えた彼は颯爽と歩いてくる。
「あ、あなたは…!」
俺よりも早く先輩が反応した。
「
さ、様?
「あ、え、えぇと…怪我はないか?」
「ええ、大丈夫です。」
「なんでそんなに落ち着いてるの?煌太様だよ!!煌太様!!!」
逆にこの人はどうして…鮫島 煌太(22)。Aクラス序列2位の凄腕。魔力を込めた銃を扱うスタイルの彼は…女性人気が凄まじい人だった…。
まさか、西山先輩もその手だとは知らなかったが。
「うーん…お前も大変だな、勇太…。」
「…ま、まあ。それで、鮫島さんはどうしてここに?」
「ああ、真島さんに連れられてな。」
「ま、真島さんに?」
「ああ、嫌な予感がするってさ。いやあ、当たるもんだねぇあの人の勘って言うのは。」
カプリコーンの方を向いた彼はそう呟く。やはりあの人は侮れない人だ。だからやりにくい。
「ちょ、ちょっと日野くん!煌太様と面識あるの!?」
「ああ、何て言うか…家が近所だったんですよ。」
嘘である。実際は家が近所と言うか同じ家(施設)に住んでいた。
「ええ!?」
「しっかし驚いたぞ勇太。こんなところに潜ってたなんて。」
「まあ、半ば先輩に連れられて無理矢理だったけど。」
「そかそか…君が勇太の先輩?」
「ひゃ、ひゃい!」
完全に目がぐるぐるでテンパってる。流石に鮫島さんはもう少し距離感考えた方がいいと思う。
「まあ知ってると思うが、こいつ難しい奴でな…ほどほどに付き合ってやってくれ。勇太も、そろそろ昇級考えた方がいいんじゃねぇか?」
「えぇ、めんどい。」
「めんどいってお前なぁ―――。」
と、鮫島さんが言うのに合わせ急にシラフになった先輩が語りだす。
「私も、真面目に昇級について考えた方がいいと思うよ。日野くん、正直そこらのDクラスより強いでしょ?」
「え…いやいや、そんなこと無いですよ。本当に俺は身の丈に合わない昇級はしたくないから…。」
「まあ、お前がそう言うのは解ってたよ。精進しろよ?怠惰なFクラス。」
「絶対…私より強いでしょ…日野くん。」
ボソッと呟いたその声を、俺は聞き逃さなかった。
結局その日の探索は取り止めとなった。ダンジョンから出た後、俺たちは随時解散する。
帰り道、バスに揺られながら俺と先輩は話していた。
「日野くん…。」
「なんですか?」
「日野くんってさ、実は私に隠れて特訓とかしてない?」
「なんでです?」
「私を連れて逃げたとき、息上がってなかったから。」
「…まあ探索者なんで人並みくらいには体動かしてますよ。」
「それだけじゃ越えられない壁がある。日野くん、君が本当にFクラスなら解ってる筈。FクラスがBクラスより速いなんてこと、あるわけ無いんだから。」
「…案外解んないですよ。それに、このクラスはギルドが決めた正式なものですから。」
「そう…ならさ、私と一回手合わせしてくれないかな?」
「…へ?」
「どうしても納得いかない…何より、君が正しく評価されないのが…なんか嫌だ…!」
「…正しく評価されて無いってのはどうかは解りませんが、先輩がそれで気が済むなら。」
――――――――――
彼らを見送った後、俺はとある人に電話をかける。
「もしもし。真島さん?」
『おお、鮫島。どうだった?』
「いましたよ。カプリコーン。」
『そうか…こちらも加茂や川田らが対応してくれた。』
「各地同時に発生ですか…きな臭いですね…。」
『ヒノカグツチがまともに使えない今…これは由々しき問題だ…。』
「んま、真島さんはヒノカグツチを守ることだけ考えててください。探索は
『すまんな。』
――――――――――
炎の魔神について語るスレ
053 名無しの魔神
色々騒がれてるけど、実際言うほどでもないだろ
054 名無しの魔神
んな分けなくね?
055 名無しの魔神
≫053 逆張り乙
056 名無しの魔神
だって絹井のダンジョンとか聞いたこと無いし
あの映像だってフェイクだろ
057 名無しの魔神
ギルドが魔獣認定したんですがそれは
058 名無しの魔神
まあ認めたくないのはわかる
あんなん世界中のなにかき集めようと勝てるわけがない
059 名無しの魔神
Sクラス探索者をご存じない・・・?
060 名無しの魔神
Sクラスでも人間やぞ
061 名無しの魔神
≫056 絹井町のダンジョンってあれだろ?限られた奴しか入れない場所
062 名無しの魔神
へーそんなとこあるんか
063 名無しの魔神
世界で見たら10か所くらいあるで
日本には絹井含め3か所ある
064 名無しの魔神
それってあのレベルの魔獣が世界には10体くらい居る…ってコト!?
065 名無しの魔神
いいや、厳密に言うと封鎖されてる理由は様々でどっかの探索者がやらかした毒やら爆発の余熱が冷めないからとからしい
066 名無しの魔神
はぇーサンガツ
067 名無しの魔神
ただ、絹井もそれ系統だった筈だけど今回みたいなことがあったからもしかしたらもしかするかもしれん
068 名無しの魔神
なにそれこわい
069 名無しの魔神
地球、終了のお知らせ
070 名無しの魔神
ま、まだ人類にはSクラスの探索者居るから…
071 名無しの魔神
この配信の例のシーン見返したんだけどさ、、
これ2体とも喋ってるよね、、
072 名無しの魔神
冷静に魔獣って喋るの?
073 名無しの魔神
喋る個体も居るには居るけどほんの一握りだけやで
もれなくSクラス案件や
074 名無しの魔神
それが2体ってマジで世界終わった、、、?
075 名無しの魔神
なんか海外の反応とか見てると民間でこれの討伐に乗り出そうとしてるところもあるみたい
076 名無しの魔神
民間でどうにかなるんですかね?これ?
077 名無しの魔神
ならんやろ
078 名無しの魔神
ギルド本部の意見はどうなってるんや?
079 名無しの魔神
配信内の言動から敵意無しって見なしてるらしい
まあそれでもレベル6相当らしいが
080 名無しの魔神
レベル5以上ってあるんか?
081 名無しの魔神
一応あるらしい
ちな上限は7らしいで
082 名無しの魔神
あの2体が6ってことは7となると…
083 名無しの魔神
本当に世界が終わるときやね
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