第26話 知らなくて良かったこと
「収容されていたのに、なかなか、元気そうだな。安心をしたよ」
旦那がしゃがむ。
目線を合わせて、奥さんと話す。だがあわせたはずの、旦那の目は、どこかへ行っている。
この時、彼は脳内で、出会ったときに戻っていたらしい。
「隣村のシェリーよ」
「うちの村に来てくれて歓迎をするよ」
「普通にご飯が食べられるなら、頑張ります」
そう言って笑っていたのは、ほんの五年ほど前のこと。
そういえば、初めての時も痛くないと言っていたっけ。
そうかそんなに、俺のは貧相だったのか……
まあ、男のプライドをえぐる、きつい一言。
意外と気になり始めると、気になる一言だな。
「ナイフ無いか?」
「あるよ」
受け取ると奥さんを刺すのかと思ったら、自分の首を切ろうとしやがった。
ちょっと、切れたから治療。
「おまえなあ、せっかく来たのに」
「しかし……」
「まああれだ、もういらんだろ。吊っとこう」
そう奥さんの話。おもしろいから壁をぶち抜いて、上半身は壁の向こう、お尻だけこちらへ向けて固定した。
気が付けば誰か使うだろ。
ちょっと兵のものが、流れ出しているけど。
そして次から次へ、兵隊は好みの女を作っていたらしく、見張りもせずに遊んでいた。
そして恐ろしいことに、シェリーと同じ様なことをみんなが言っていた。
風土病でもあるのかもしれない、こいつらの村には近寄らないようにしよう。
先天性なのか、後天性なのかそこが問題だ。
「はい、旦那と暮らしたい人」
手を上げさせて、そいつらだけを連れて帰る。
なんだかね、水に環境ホルモン的に何かが混ざっていて、とか、何かの影響で男性ホルモンの分泌が抑制とか与野が言っていた。
まあ原因は不明。異世界だから何でもありそうだが、第二次成長期にホルモンの分泌を抑える何かが水にでも混ざっていたのかも知れないとのことだ。
俺にはよくわからん。
まあ村には帰らないし、かわいいのが良いという奴も出てくるかもしれない。
そう思ったら、上級神八重様降臨。
「私に見せなさい、さてどのくらいが良いの?」
そう言ってなんか、ぴかーってしていた。
段々、こいつ隠さなくなってきたな。
その作業は、皆の眼前で行われた。
そのおかげなのか、他の村から来ていた娘が、幾人かとくっ付いたようだ。
おもしろいのは、
異世界のかわいそうな男達は仕方がないと思ったが、業力の場合なんかむっときてど突いてしまった。
なぜかは俺にも分からんが、八重が少しかわいそうな顔をして光ったから希望を聞いたようだ。
こいつ趣味が筋トレなのは、そういう願望を忘れるためとか、なんかあるのかな?
そうそう村人さん達、有名なあの赤いウインナーくらいしかなかった。
絶対何かある。
そしてそんな村で、子どもが生まれているのが、代々とすると、まあ、近親婚はないな。
そうして、こそこそと国境を越えて戦場へ戻る。
まだやっていたが、明らかにファースティナ王国の兵は減っていた。
「戦闘どうなりました?」
「うん大量だよ。今入植地の振り分けをやっているから」
レオポルド=アウグス侯爵も随分丸くなった。
ただ、戦闘の状態が、大量ってなんだよと思ったのは、俺だけではないはず。
「じゃあ、終わらせますか?」
「そうだな遠見殿が作ってくれた、鉄砲というものを試すか。おい」
陣地の裏に積んであった箱が開かれる。
先込めではなく後ろから弾と火薬を詰める。
火薬を紙でくるんで一回分に分けてある。
薬莢方式はもう少しでできる予定。
弾も砲弾型でライフリング付き。
「それじゃあ、構えて…… 撃てぇ」
乾いた良い感じの音が戦場に響く。
そしたら、敵の馬が一斉に逃げ始める。
そうこっちの馬たちは音になれたが、最初は大変だった。
あわてた馬たちには、人など関係ないようだ。
そう混乱。
そして敵兵達も混乱。
聞き慣れない音がして、仲間達が倒れた。
「新魔法かも知れない、気を付けろ」
そう言いながら、なぜか空を見る。
そう、魔法と言えば、一般的なひょろひょろファイヤーボールが、イメージとしてあるのだろう。
弾込めが終わり、次弾発射。
黒色だから、盛大に煙があがる。
早いとこニトロセルロースを作らないと、暴発が怖い。
エステル化がどうとか、みんなが言っていた。
まあ敵軍は、兵を切り取られ、銃の試し撃ちという最悪な状況で壊滅をした。
幾人か逃げたようだが、ある程度は情報が伝わってほしい。
これで、後がなければ万々歳だが、あの王だとどうかな?
「なに? また全滅だと。しかもセコンディーナ王国相手に…… ええい一体どうなっておる」
「新型の武器です。やかましい音がして、金属のつぶてを飛ばしてきます」
「矢ではないのか?」
「違います。矢と言えば、敵の矢の方が射程距離が長いです」
「ええい。そんなもの材料を工夫をして、改良をしろ」
そう、まだ諦めてないようだ。
「おお? これが本当なのか?」
「ねっ、もう無理」
「もう一回」
「もう……」
新規開拓村では、プワーナ王国から来た夫婦が励んでいたが、正常なサイズとなり旦那が喜び張り切る。
奥さんは、その変わりように、喜びはしたがうんざりもしていた。
だがその数日後、本当の快楽を知ることになる。
そう中での……
「あっあっ。何これぇ…… 頭が真っ白に…… なにか、はじけるぅ……」
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