ミモザの朝

とりのめ

第1話

ミモザは朝カーテンを閉める。


海沿いにある小さな街は真っ先に太陽を迎える。水平線からのぼる光はうつくしい。

夜は隠す。いろいろなものを。清濁あまねく容赦なく。

ミモザが太陽を見ることは難しい。

吸血種が太陽のひかりを浴びることはその心身にとって過酷な負担になる。載るコミュニティのひとつではそれは拷問や見せしめに使われている。日光は吸血種の皮を融かす。剥き出しになった骨すらも朽ちていくのは唯一白日の許に。断末魔は耳から離れない。すべての吸血種はそれから逃げられない。

ミモザは太陽がいない間は身体を売る仕事をしている。小さな街のあやしい風俗店にいる吸血

種は珍しがられる。ミモザは身体を好きに弄ばれる。どろっとした精液はいつまでも喉に絡みつく。合法ロリの吸血種は無二だ。

真っ白い肌や黄色い目はミモザを守って、苦痛に見合った報酬をくれる。太陽から身を隠す屋根のある家もそのひとつだ。


ミモザは朝だからカーテンを閉めた。

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ミモザの朝 とりのめ @uwo_uwono

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