第131話 姉須戸・トンプソン・伝奇とサバキン
「次に解説するモンスターはこちらです」
『でた、サバキン』
『ゴブリン並みによく見かけるモンスター』
『見た目は水棲モンスターっぽいのに山にもなぜかいる』
姉須戸がリモコンを操作してモニター画面に表示したのはオコゼをベースにした半人半魚のモンスター。
それなりに有名なのか、映像がでた瞬間、視聴者達から名前や出没場所などがネタバラシのように書き込まれていく。
「はい、皆さんもご存知の半魚人ことサバキンです。出没場所も見た目に反して様々な場所にでてきます。さて、サバキンの特色として熱帯魚のようなカラフルな色のサバキンは魔法系、逆に暗い色のサバキンは戦士系の傾向があります」
『あー、思い返してみたら確かに魔法使うサバキンは明るい色だった気がする』
『色で戦士系か魔法系かわかるんだ』
『次から色確認してから戦うか』
姉須戸がサバキンの特色を解説すると、ためになったのかコメントが書き込まれ、高評価数が加算されていく。
「サバキンの攻撃方法ですが、戦士系はトライデントと呼ばれる三ツ又の矛と投網が多いです。、また水中では大型の魚モンスターに騎乗してランスチャージしてきます」
『騎乗したタイプは見た記憶ないな』
『基本、水中戦とかしないからな』
『この投網が地味に嫌なんだよな。下手に絡まると抜け出すのに時間かかるし、あとヌメって生臭くて精神的にも嫌』
姉須戸が戦士系サバキンの攻撃方法を解説する。
「次に魔法系は水に関連する魔法が多いです。特に回復魔法を使うタイプが多く、戦士と魔法使いが混じってる場合は可能な限り魔法系を潰してください」
『まじで敵にヒーラーいるとウザいし、戦闘が長引くからなあ』
『敵もヒーラーが狙われるのわかってるから、後方に配置したりタンクがカバーに入ったりとすぐに排除できないんだよな』
『ヒーラーをどれだけ早く倒せるかがキモだよな』
続いて魔法系のサバキンの解説をすると、過去に戦った経験のあるアカウントからコメントが書き込まれていく。
「もし、このタイプをサバキンを見かけたら、速やかにダンジョンから撤退して、最寄りの協会に通報してください」
姉須戸はリモコンを操作してモニター画面に、通常のサバキンの五倍はあるサイズのサバキンの映像を見せる。
頭部は蟹の甲羅のようなものを帽子のようにかぶり、哺乳類のような複数の乳房、下半身は魚の尾びれになっている。
「これはマザーと呼ばれるタイプで、マザーがいるとサバキンは異常繁殖し、女王の群れと呼ばれるステータスアップバフが常時付与されます」
『軍隊やAランクの特別チームが討伐する案件か』
『海外でマザーが生まれて途上国の一つが消えたとか?』
『マジやばいやつ』
姉須戸はマザーを目撃した場合の注意喚起をする。
「さて、サバキンのドロップ品ですが、鱗や武器などがドロップします。この鱗ですがスケイルメイルの材料になりますし、魔法系と戦士系で防御力が変わります」
『魔法系サバキンの鱗だと魔法防御が上がるんだよな』
『デメリットとして味方の回復魔法も阻害する』
『戦士系は物理防御が高いし、比較的集めやすいドロップ品だから安価』
姉須戸はマザーに対する注意喚起を終えると、ドロップ品について解説する。
「さて、本日の解説動画はここまでとします。お付き合いありがとうございました」
『おつー』
『お疲れ様です』
『次回も楽しみにしてます』
姉須戸が配信の終了を宣言してお辞儀をするところで映像は終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます