第128話 姉須戸・トンプソン・伝奇とサイマン
「さて、次に解説するのはこちらのモンスターになります」
『きた、サイ男』
『うわー、戦いたくないなモンスター』
『硬いから嫌い』
姉須戸がリモコンを操作してモニター画面に表示させたのは、人間とサイを合体させたような大柄な体格の二足歩行モンスター。
そのモンスターの映像を見た視聴者たちが次々とコメントを書き込んで反応を示す。
「サイマンと呼ばれるモンスターで、Dランク以上のダンジョンなら大抵出没します」
『最も良く会うモンスター』
『そして硬い』
『とにかく硬い』
『うざいほど硬い』
姉須戸がサイマンの解説を始めると、視聴者達が次々と硬いと連呼するように書き込んでいく。
「はい、皆さんが言うようにサイマンの皮膚は金属鎧波に硬く、また耐久力もあるので戦闘時間が長引く傾向が多いです。力も強く、粗悪ですが原始的な武器も使いこなし、鼻先の角を使った突進は軽自動車すら撥ね飛ばします」
『突進は絶対受け止めようと思うなよ』
『唯一の救いはあまり知恵は回らない愚直に攻撃してくるタイプだから罠とか嵌めやすいし、フェイントに弱い』
『怪力だから、純粋に正面向かい合ってタイマンするとかなりきつい』
姉須戸がサイマンの攻撃方法について解説すると、サイマンと戦ったことがあるアカウントからアドバイスコメントが書き込まれる。
「弱点は強いて言えば幻惑系の魔法が効きやすいと言うことでしょうか。コメントにもあったように愚直な性格なのか、罠などにも弱いです」
『喧嘩の強さ証明するならタイマンでもいいけど、普通に狩るなら罠が安定』
『あからさまな落とし穴にかかった時は逆にマジかこいつと思ってしまった』
『嵌めると楽に狩れるけど、堅いから倒すのに時間かかる』
姉須戸がサイマンの討伐方法を伝えると、視聴者からもアドバイスコメントが次々と書き込まれていく。
「サイマンのドロップ品ですが、外皮や角が手に入ります。外皮は硬いですが、あまり防具には適してないんですよね」
『堅すぎて加工しにくい、皮そのものがかなり重たくて、鎧にしても金属鎧並みに重くて革鎧の利点が死んでる』
『強いて言えば、急所部分を覆うポイントアーマーぐらいにするのが無難かな』
姉須戸がサイマンのドロップ品について解説すると、外皮についてあれこれコメントが書かれていく。
「角は武器にも、削って粉末にして錬金術素材にも使えます」
『角が一番価値がある』
『サイモンと戦うのは、大抵角狙いだからな』
『個体でサイズが違ったりするからデカイのに当たるとしばらく遊んでられる』
『強いけど挑む価値はあるモンスター。硬いけど』
もうひとつのドロップ品である角について姉須戸が解説すると、角は価値があると視聴者達がコメントしていく。
「さて、サイマンについてはこれくらいにして、次のモンスターの解説に移ります」
姉須戸はそう言うとリモコンを手にした。
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