第2話
出てきた佐田部長は昔見たのと同じ、落ち着いた格好をしており、駅に向かって歩き出した。
僕は月曜に問い詰めると佐久間さんと約束してたものの堪えきれず佐田部長に話しかけ、どういう事か2人は付き合ってるのかと問い詰めた。
佐田部長は最初は驚いた顔をした後、今にも泣きそうな辛そうな顔でどんな関係でも関係ないだろうと言ってきたものの根負けしたのか、話してくれた。
それによると、佐田部長の母親はシングルマザーで西園寺のやつの父親の会社でパートとして働いているらしいたが、最近人材整理で解雇されそうなったらしい。
そんな時、西園寺のやつが佐田部長の母親に娘が自分と付き合ってくれたら、父親に口利きすると言ってきたので、佐田部長にそうしてくれも行ってきたらしい。
佐田部長は最初は反対していたものの、母親がクビになったら生活できない、育ててもらった恩はないのか、付き合うだけだ、とヒステリックに喚いたきた。
そんな母親に絶望するも確かにその条件を飲まないと生活できないと思った佐田部長は、卒業し、就職するまでの我慢だと、就職したら西園寺のやつとも母親とも縁切りしようと決意し、いくつかの付き合う条件をだし、そこから西園寺のやつと連絡を取ったり、デートをする様になったらしい。
条件とは、1.付き合ってることは皆に内緒にすること2.付き合ってるうちは母親をクビにしないこと3.体の関係はなし、3つらしい。
3つ目の条件を聞いて、安心したものの昨日泊まったのに大丈夫だっだのか聞く。
すると佐田部長は疲れたように、最初はその条件だったものの、学校でバラすと言われ最後の一線は越えてないものの、口や手での行為はしているらしい。
それを聞いて僕は目の前が真っ暗になった。
童貞の僕には脳死するほどの衝撃だった。
そんな僕を見て、佐田部長は悲しそうに笑って言った。
「そういうわけだから、関係ないあなたは口を突っ込まないで。」
僕は茫然自失のまま家に帰ると、姉である由依姉さんが怒髪衝天の表情で待ち構えていた。
どうやら昨日何も言わずに帰ってこなかったことを怒っているらしい。
僕の両親はどちらも仕事で海外におり、今は由依姉さんと二人暮らしだ。
ただ、由依姉さんは休日は高校から付き合ってる大翔兄の家に泊まることが多く、昨日もそうだと思います連絡しなかった。
「ひとちゃんはいつから不良になったのかしら?」
そう言って叱ってくるもの今の僕には響かず、不信に思った由依姉さんは何があったのか聞いてきた。
佐田部長の事情を人に話していいか悩んだものの堪えきれず全てぶちまけた。
全てを聞いた由依姉さんは黙って僕を抱きしめてくれた。
僕は大声で泣き始めた。
僕が泣き止み始めたところで由依姉さんは僕に聞いてきた。
「ひとちゃんはどうしたい?好きな子を助けたい?それとも好きな子に幻滅してもう会いたくない?」
僕はしばらく悩んだ後、答えた。
「助けたい!」
由依姉さんは優しく微笑んだ後、胸をドンと叩きいった。
「お姉さんに任せなさい!」
そのあと、由依姉さんは僕に西園寺のやつの会社のことや佐田部長の連絡先や最寄駅を聞いた後出て行った。
僕は、何もする気が起きずそのまま寝室に向かった。
次の日、起きた僕は体が重いことに気づき、由依姉さんに今日は休むと連絡を入れてもらおうとしたが、由依姉さんはどうやらまだ帰ってないらしい。
もしかしたら、そのまま会社に行ったのかもしれない。
そう思った僕は自分で学校に連絡を入れ、適当に冷蔵庫の中のものを口にした後、もう一度寝始めた。
寝ていた僕は電話が鳴る音で目が覚めた。
時計を見るともう学校が終わった時間だった。
誰からのの電話だろうと確認すると佐久間さんだった。
そういえば、今日佐久間さんと佐田部長に話を聞こうとしていたことを思い出す。
そのことだろうと思い、どう誤誤魔化そうかと気重いながらも電話に出る。
「佐藤君今日学校休んでたけど大丈夫?ごめんね、私が土曜日連れ出したせいだよね。」
どうやら、自分が誘ってショッキングな光景をみたせいで体調を崩したと思ったらしい。
当たらずも遠からずといったところだが、僕は誤魔化し、話はできたかと聞く。
「い、いやー、たまたま西園寺君が親から遊園地のチケット貰ったから行っただけだって。」
何かを誤魔化すように早口で言い始める。
恐らく、佐田部長から全て聞いた上で、僕にこれ以上ショックを与えないようにしてくれているらしい。
その気遣いに感謝するもの実は昨日全て聞いたと話した。
佐久間さんはため息を吐いた。
「聞いちゃったか……。」
しばらく無言の間が続く。
「お、おほん。てか、聞いてたならその時わたしにも言ってよ!」
誤魔化すように、あえてちゃらけたように佐久間さんは言った後、しっかり休むように言って電話を切った。
その後、僕はズルズルと一週間学校を休んだ。
由依姉さんはその間一回も帰ってこなかった。
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