第13話 遠征②

顔は!…大丈夫だな…。

しかし…顔は大丈夫だが…

リルが抱きついている!あの腕力で抱きついてきているから動けない!

しかもリルのあれがあたっている!

このままだと朝の生理現象が収まる気がしないのでどうにかしてリルのホールドから逃れないと。

いいのがあった!


《空間転移》


シュンッ


「フーー、なんとかなったな」



「やあ!おはよう!レオン!」


カイルさんだ。

朝から元気があるな。


「おはようございます。カイルさん」

「早起きか真面目だな!」

「いえ、ほとんど無理矢理みたいなものですし…」


リルに起こされたみたいなもんだしね。


「おはようレオン君」

「おはようございます。ルーラさん」

「今から訓練?少し頼みたいことがあるんだけどいいかしら?」

「はい別に構いませんが」

「私と手合わせお願いしてもいいかしら?

レオン君は剣術も凄いと聞いたわ」

「俺もきいたぞ!」

「それぐらいなら別に構いませんよ」

「武器は木剣でいいかしら?」

「いえ、真剣で大丈夫です。僕は聖魔法が使えるので多少の傷なら治せますので。それにルーラさんも自分の武器のほうがいいかと思いまして。」


ルーラの武器は三日月剣シミターだ。

南の砂漠の方の民族が使うと聞いたが、その戦っている姿は舞を踊っているようだと聞いたことがある。


「それでは始めましょう」


タッタッタッ


彼女がリズムを踏み始めた。

リズムにのって攻撃するかんじかな?


タッタッタッ!


くる!


タッタタッ


くっ!彼女のペースでやっているから受けるのが精一杯だな…

前の世界の俺は特別音楽が得意とかはなかったが今の俺なら…いけるか?


「ハッ!」


ドンッ!


一回距離をとろう。

彼女がリズムで攻めてくるのなら好都合だ。

彼女のリズムに合わせて曲を作るんだ。

トン トン トン

そしてその曲に間の手を入れるイメージで攻撃をするんだ。


トン トン トン


今だ!


「ハッ!」


そして一つ一つの動作を繋げて流れるような動きで…


「戦技: 水流の舞」


《闘剣乱舞》


カンッカッカッ


キンッ


「なっ!」


ピタッ


「僕の勝ちですね」

「フッ負けたわ。まさか私が習得に何年もかかった技をしかも私よりも上手く使うなんて流石ね」

「ありがとうございます」


しかし今回の訓練はとても勉強になったな。

新しい戦技も習得できたし。

さて、そろそろリルを起こすか


「僕はリルを起こして来ます」

「わかった。後少ししたら出発するからそれに間に合うようにな」

「わかりました」



まだ寝てる…

朝の訓練でかなりの音がなっていたはずなんだが…


「おーいリル、起きろよもうすぐ出発するぞ!」


ペチペチ


「う〜ん…もう少しだけ…」

「だめだ今起きろ…」


ゆっさ ゆっさ


「ん〜…もうそんな時間?」

「ああ」

「わかった、すぐ準備するからちょっとまってて」

「了解」


そのあと軽い朝食を食べて俺達は出発した。


「今日までに奥まで行きたいな」

「そうですね、やはり奥に行くにつれてモンスターは強くなっていくんですか?」

「ああ。奥に行くと最低でもCランク相当のモンスターもでる」

「そうですか…少し心配ですね」

「なに、お前が気にすることはない!

お前はDランクにだがCランク上位の実力をもっている大丈夫だ!」

「ありがとうございます!」


そうだレムさんに魔法のこと聞くんだった。


「レムさん少しいいですか?」

「……ん…」


肯定なのかな?


「少し魔法のことについて聞きたくて」

「……魔法の…どんなことだ…」

「基礎から全部いいですか?」


流石に全部はやばかったか?

怪しまれるかな?


「……ん。魔法は主に5つの属性がある。

火 水 大地 雷 風の5つだ。例外として聖魔法や闇魔法などがある。そしてこの5つの属性だがこの中にも下位魔法、上位魔法、神級位魔法の3つがある。

下位魔法は適正のある属性で魔法使いならばある程度は使える。

次に上位魔法だがこの魔法が使えるのは一握りの才能を持ったものだけだ。私も使える魔法使いは一人しか見たことがない。

最後に神級位魔法は神話の中の話で出てくるような魔法だ。もちろん使えるものなどいない。」


すっごい流暢に喋りだした…

この人あれか好きなものになるなるとめっちゃ話すタイプの人だ。

下位魔法は俺でも普段使っているヤツだな。

問題は上位魔法だ。

俺が前使った《激怒する雷神トール》とか絶対上位魔法だな。

俺はイメージのまま魔法を使ったがこの世界では使える人はとても少ないそうだな…

あまりバレないほうがいいな。

それに5属性全部使える人もなかなかいないみたいだ。

これもバレないようにしよう。

しかし神級位魔法か…興味深いな…

機会があれば調べてみよう。

しかしとても有意義なことが聞けたな。


「お話ありがとうございました」

「……ん……またなんかあったら……聞く…」

「はい、その時はお願いします」


その後俺達は武事奥についた。

日が暮れてきていたのでそこを野営地にした。


「明日から森の奥を探索することになる。

奥には危険なモンスターもいるのでなるべく固まって行動したいと思う。」


確かに理にかなっているな。

少し動きにくいが、まあしょうがないか。


「よし!後は明日に備えてよく休むこと!解散!」


今日の見張りは俺達が最初だ。


「リル今日は俺達が最初の見張りだ。悪いが寝るのはもう少し後だ。」

「ええ、大丈夫よ」


何もおきないといいのだが…こういうときに限って何おこるのがてっそくだが…

さてどうだ?


しかし俺の予想に反してと国何もおきなかった。

まあ、別に起きて欲しかった訳では無いが。


次の見張りの青の水晶と交代した。


「リル絶対に抱きついてくるなよ」

「わかったわよ…」


これでよし。くぎを刺しておかないと大変なことになるからな。

若干不服そうなリルは無視だ!無視。

これでやっと安眠できる…


しかしこのあとレオンの安眠を妨げるものが来ることをレオンまだ知らない…

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