第12話 遠征①

重い…そしてくるしい……

い、息ができない…

何かが顔の上にのっているッ

早くどけないと…死ぬッ


「むぐぅぉう!ぐぅぁう!」


ズボッ


「ハァハァハァ…」


あ、危ないまじでやばかった…

何がのっていたんだ?


「………」


リルだ。


昨日の夜。俺が床で寝るからリルがベッドで寝ろ。

って言ったらリルが駄々こねてわめきだしたから仕方なくベッドで寝たがこのありさまか…

少し懲らしめるか

魔力を固めて…


「ハッ」


パンッ!


「キャァ!」


魔力を固めて小さな魔力爆発プラズマをおこして音を出した。予想通りの結果に満足。


「レ、レオン?」

「おはよう。リル」


そのあとリルがゆっくり視線を自分に向けて勝手に叫んで洗面所の方に行ってしまった。

どうしたんだろう?



「冒険者ギルド集合だな。向かうぞ」

「わかったわ」


リルも用意ができたみたいでよかった。


ギルドにはもうすでに他のパーティは来ていた。


「俺達で最後だったな」


中には大剣担いだ赤髪の大男や長い杖を持った子どもみたいな人もいた。


「よし、全員揃ったな。改めて今回は集まっていただき誠にありがとう。

説明したと思うが西の森に遠征に行ってもらう。

報酬の上乗せやランクアップの可能性もあるので頑張ってもらいたい。」


そう言ってギルドマスターはどこかに行ってしまった。


「よし!まずは自己紹介からだな!

俺は《幻想の炎》のリーダーをやっているカイルだ。

よろしくな!」


なるほど…確かに炎だな…


「私は《青の水晶》のリーダーをやっているルーラです。よろしくお願いします。」


黒髪のロングヘアーで青い目をしているとてもきれいな人だ。

ビㇰッ!

なんだ!?リルがめっちゃ睨んでくる。こわい…


「月光の華……レムだ………よろしく…」


無口なのかな?見た目は子供だが実際はどうなんだろ?


「白銀の龍のリーダーをさしてもらっているレオンだ。よろしく」


「よし!自己紹介できたな!早速向かうぞ!」


自己紹介終了そうそうカイルが言い出したので向かうことになった。


聞けば幻想の炎は4人パーティ。主に近接攻撃がメインだそう。

青の水晶は3人パーティでオーランド。魔法を使える魔法使いが1人いて、リーダーのルーラともう1人が前衛って感じ。

月光の華は2人パーティ。リーダーのレムが魔術師、もうひとりが槍使い?かな?槍持ってるしたぶんそう。


5日間の予定は今日は森の中間ぐらいまで行き、明日から明後日にかけて奥までいき最終日まで奥で調査をするとのこと。


まあ、俺達は結構森に来ているし中間地点ぐらいなら行ったこともあるので、そこまで大変ではないと思う


「よお!レオン!」

「カイルさん、どうしたんですか?」

「いや、レオンが見たこともない武器を持っていてな少し興味をもったんだ。」

「これですか?これは刀といって…見せたほうがはやいですね」


シュッ


「このように少し外側に反っています。そしてとても硬いんですよ」

「なるほど…いいものを見せてもらえた。

ありがとう。」

「いえ、それにしてもカイルさんの大剣大きいですね。うちのリルと同じぐらいかそれいじょうか…」

「ま、待ってくれあの細腕の姉ちゃんがこんなのもてるのか?」

「ええ、軽々と振り回してます」

「俺でもこれを振るのは少し苦労するのだが…。

そうだ次の戦闘君たちにまかせてもいいかい?」

「ええ、別にいいですよ」

「ありがとう」


それからほどなくしてゴブリン4体オーク1体が現れた。


「リル!ゴブリンを頼む、俺はオークをやる!」

「わかったわ!」


ちなみにリルの大剣は俺のアイテムボックスにしまっておいた。


「はあぁぁぁ!」


ドゴンッ!


「「ブゴォォ!」」


リルの一撃でゴブリンが吹っ飛んでいった。

リルならゴブリン程度は余裕だろう。

俺も終わらせるか…


《ストーンランス》


「フグォ?!」


「終わりだ」


《テンペスト》


よし。


「お疲れ様リル」

「別に。疲れてないわよ」


それもそうだね


「すごいなお前ら!

俺ぐらいの大剣を軽々と振り回せるの姉ちゃんもすごいがレオンのあんな魔法初めてのみたぞ?!」

「それはお前が魔法について知らないだけ……でも魔力の錬度はすごかった………」

「ありがとうございます」


レムはやっぱり魔法についていろいろ知ってそうだな

あとでいろいろ聞いてみよう。


そんなこともありながら今日の野営地についた。

見張りはパーティごとに回すらしい。

俺達は最後だ。


「明日に合わせてもう寝るか」

「そうね」

「………」

「リルなんか近くないか…」

「あら、テントが狭いから仕方なわよ」

「ならいいが…」


また今日の朝みたいなことにならないかな……

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