第9話 リテール

どうも待ち合わせの日に寝坊したレオンです。


「さあ、どうしよう」


焦りすぎてもはや、焦りを通りすぎて変に落ち着いてる。


「とりあえず急いで向かうか」


待ち合わせに遅れてくる男性ってやっぱ最低?

少なくとも俺が待っている側だったら素直に「いいよ」なんていわないよな〜

リテールのこころが広かったらいいな〜なんて考えていたらギルドについた。


いた。

奥の席にとんどもないほどの負のオーラ?怒りのオーラを出して座っている人が。


やべえ。近づけねえ。

初めなんて声かける?やっぱ遅れてすみません?

勇気がでねぇ。


「あなた。私との待ち合わせに遅れてくるなんていい度胸じゃない」

「す、すみません。寝坊しちゃって」

「じゃあこうしましょ。今から私が言うことを認めてくれたら許してあげる」


なんだろう?お金貸してくれとか?う〜んそんなに持ってないんだよな〜


「私とパーティを組みましょ」

「パーティ?」

「そ、パーティ。私なんというかソロの限界に来ちゃったのよ。でもパーティ組むにしてもそこそこ強くないといけないでしょ。そこであなたをためさしてもらったわけ。単独でゴブリンキングを討伐できるあなたなら十分すぎるでしょ?」


う〜ん組むにしてもリテールの実力がわかんないしな〜。

まあCランクなんだしそこそこ強いんだろうけど。


「なに?私の実力がわからない限りはって顔ね。

いいわ。私の実力見せてあげる。でも見せたからにはパーティ組むの認めなさいよ。」

「実力次第ですね」

「フッ言うじゃない」


ということで僕たちは西の森にきた。


「見てなさい私の実力を!」


彼女の使う武器は大剣だ。正直スラットした彼女にはあんまり似つかわしくない武器だが彼女はそれを軽々と振り回している。

今もちょうどゴブリンが吹き飛ばされたところだ。

前衛としては申し分ないな。

あとは俺が後衛でいろいろサポートすればいいか。


「どうよ。これが私の実力よ!」


彼女がドヤ顔で言ってきたのでとりあえず褒めてあげる。


「ええ。とてもすごかったです。流石Cランクですね」

「どう?パーティ組むの認めてくれる?」

「ええ。いいですよ」

「やったー!」


彼女が飛び跳ねて喜んでいる。見た目にそぐわず意外に幼いところがあるんだな〜。

と俺が妙に感心していたら彼女が。


「なら次はあなたの実力を見せて」

「いいですけど…またそこら辺のゴブリンでも狩ります?」

「いや、私と手合わせしてほしいの」

「……」

「何よその顔は」

「いいですけど僕が勝ちますよ?」

「あら、言うじゃないの。第一あなたのそれで私の大剣受け止められるの?」


と彼女は僕の腰にある白銀を指さして言った。


「そういう武器の相手との戦い方というのもあるんですよ。いいでしょう、受けて待ちましょう」

「そう来なくっちゃ」

「ルールはどちらかの武器が体に当たる直前まで近づけられるかどちらかがギブアップを宣言するまで。でいいですね?」

「コク。」


彼女はそう頷いた。


「それでは僕の合図でいきますね。」

「よーい」


《START》


ダッ!


僕は駆け出した。

彼女の武器はリーチが長い。

このまま距離を取って戦われるとやっかいだ。


「やっぱりそうくるね」


ブンッ


ガキンッ


「くっ!」

「あら、さっき言っていた戦い方ってそれ?」


やはり一撃一撃が重いな。

ゴブリンキングほどじゃないと思うがそれに匹敵するほどの威力だ。

だけどこういう相手はスピードを活かして近づいたほうがいい!


「ハッ!」


ブンッ!


「なにっ!」


なんとか彼女の攻撃を避けれた!


「今だ!これで終わりd…」


なんだ!ヤバい予感がする!


《ウィンドボム》


ドンッ


「はぁはぁ」

「これを避けるとはやるわね」


危ないあれをくらっていたらただじゃすまなかったな。第六感てきなやつかな。

しかし彼女も使えるか。


「じゃあこっちもいかしてもらおう」


《紅纏》


「なに?それは?」

「炎を纏ったんだよ」


これなら彼女の大剣と対等に渡りあえるはず。


「ハッ!」

「セイッ!」


ガキンッ!


「なんで私の攻撃をうけれてるわけ?!」

「これがまといの効果ですよ」


キンッ  ガキンッ  ガンッ


クソッ決めきれない!

魔法も使うか


《ファイアーボルト》


「魔法?!」


《ウィンドシールド》


チッ防がれた。

やはり向こうも魔法は使えるみたいだな。

できれば今ので決めたかったが仕方ない。


《アイスレイン》

《ストーンランス》


「くっ」


やはり数で攻めたらすきができるな。

この調子で数で攻めていこう。


《ライトニング》


《ウォーターシールド》


あぶねー。間に合ってなかったらあたっていたな。


劣勢でもないが優勢でもない。

このまま魔法でいっても倒せるかわかんないしな。

ここは攻めるか。


《サンドストーム》


「なに?くっ砂で前が見えない!」


こうして目を封じて


「白銀」


一気に決める!


「戦技: 桜花」


バッ!

砂煙が晴れる


《枝垂れ桜一閃》


トンッ


「俺の勝ちですね」

「ッ!」


フーなんとか勝てたって感じかな。

ま、勝ちは勝ちだ。


「僕の実力わかりました」

「ええ、確かにあなたは強いわね。まさかこれほどとはね。パーティを組むのには十分な強さね」

「ありがとうございます」

「よし、そうと決まれば早速本題パーティ登録行くわよ!」

「早速ですね…」

「あ、あとその後打ち上げするからあなた奢りなよ」

「ええ〜、なんでですかー?」

「だってあなた待ち合わせに遅れて来たじゃない」

「それはパーティを組んだら許してくれるんじゃなかったんですかー?」

「それとこれは別よ」


誠に遺憾だ

ま、いっか彼女といるとなんだか楽しいし


「あと私のことはリルって呼んで。もうパーティメンバーでしょ」

「わかった。これからよろしくなリル」

「こちらこそよろしくレオン」

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