ハッピー労働タイム
次の日ライドーと俺は働く場所まで徒歩で移動していた。
ライドーは道を完全に理解しているようで、少しも迷わずにするすると道を進んでいった。
俺は彼について行くので精一杯だったので、目的地に到着した頃には息が上がっていた。
「なあ、ここで何をするのかさえ知らないんだが。」
「わからなくでもなんとかなるさ。」
「ええ...」
中間管理職のような人物へ挨拶した後、俺は長机の前に立たされた。
隣はライドーで少し安心した。
机の上に花びらのようなものが現れると、俺はそれを組み立てることが仕事なのだと即座に理解した、というより理解させられた。
頭の中に情報が流れ込んできた。
なぜか組み立て方がわかる。
白色の花びらを横に並べて隣に貼り付けるとそれがくっつき、花が出来上がる。
それを何度も繰り返す。
簡単だな、あくびしそうになったとき、机にモニターが生えてきた。
そのモニターには40と書かれていた。
「どうやらこれが商品の点数らしい。」
「点数?」
「そうだ。これの造形が美しいほど点数が上がって、価値も上がるんだろう。すごいなあ!私たちは今時間を作っているんだ。こねて、ひっつけて作り上げる。どう見ても単純で機械的な動作だが、全く同じものは一つもない芸術品だ。確かに人の手でしか量産できない。」
「ええと、どういう意味?」
「つまり、面白いってことだ!」
なるほどわからん。
「ところで、アルとイヅをここで働かせないのはどうしてなんだ?調べたところ、この国では働かないものには罰金があると聞いたんだが。」
「ははは!そりゃ生きてる限り罰があるのは当然だろ?そうだな。あの二人がここにいないのは、あの銀の球に登録していないからだ。私が予想していた通り、ネットワークに接続できる者とできない者では知識において差が生まれるようだからな。」
そうか、俺がこの作業の内容を説明も受けずに理解できたのはこのネットワークに接続していたからなのか...
「あと、あの二人は人間不信が酷いからだな。」
「そうなのか?」
「ああ、たくさんの人に騙されてきたらしいんだ。」
一見元気そうな二人にも悲しき過去が...といったところだろうか。
「ほら、手を止めない方がいいぞ。」
「うわっ!?」
気づくと俺の隣に疲れた顔をしたおっさんがいた。
彼はイライラした様子で俺を睨んでいた。
「すみません...」
すぐに作業に戻った俺が隣をちらりとみるとニコニコした顔で100点を出し続けるロボットがいた。
「ライドー、もうコツを掴んだのか?」
「楽しいからな!お前もすぐ掴めるようになるよ!」
そういえば、彼は三人の中で一番気さくで話しかけやすいな。
常に笑顔で楽しそうに見える。
その上で才能があるとはいったい彼は何者なのだろう。
今日は初日だったので食堂で昼飯を食べた後少し作業をしただけで帰ることができた。
家についたとき、扉の前に見知らぬ人物がいた。
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