現実の付箋

なと

懐古

 祖父を亡くして10年経ちました。

 まだ子供だった私でしたが、死の意味は理解していたらしく、泣きました。

 子供の頃の私にとって、祖父は英雄のような存在でした。なにも恐れず、力強く、私たち家族を守ってくれる英雄でした。

 しかし、病に罹り、あまり健康的ではなかったこともあり、最終的にはあっさりと逝ってしまいました。

 祖父は誰とでも仲良くなれる才能があったようで、祖父によく連れられていた私は、幼い頃からたくさんの人に会い、沢山の事を知ることが出来ました。その経験のお陰で、私も祖父ほどではないものの初対面の方と交流を持てたり、率先してお店に入るなどの事が出来ています。

 

 後から聞いた話ですが、祖父は私が産まれたのと同じ年に大病に打ち勝ち、「俺は今年産まれ直した、この子(私)と同い年だ!」と言っていたそうです。

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現実の付箋 なと @Natonato

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