第十四話
結局、そのまま石像前で詩音を待つ。本日のお出かけは、新しくできた体験型テーマパークがお目当てだ。まるで物語の登場人物になったような体験ができるという屋内型テーマパークで、以前はショッピングモールだった施設を改修したものだ。待っていると、トコトコと学童と見紛う美少女先輩がやってきた。
「やぁ。待った?」
「めっちゃ待ったよ。パイセン。ナンパもされて大変だったし」
「早くきて先輩を待ってるなんて後輩の鏡だね。さすが雪菜。それに見事にナンパも撃退したようだしね。しかしまぁ雪菜をナンパするなんて勇気あるね。その男」
「ナンパされたのは、私じゃなくて凛音だけどね」
「私たちの中で最も可憐なだけあるね。さすがだよ凛音。しかし、美少女が2人いて、ナンパされたのは男の娘とはね。日本始まったな」
「私でもナンパするなら凛音をナンパするだろうしね」
「ふふふ。可愛いでしょ。僕。」
ドヤる凛音を少しこづいた。私は大変だったんだぞ。
そこから私たちは、地下鉄に乗り、そこから30分ほどしてから乗り換え、目的地に到着した。(詩音が改札をスマートウォッチで通ろうとしたらチャージされていなかったため、一悶着あったが)
「ついに到着したよ。話題のテーマパークに」
「遅れたのは先輩のせいだけどね。」
「それはごめん」
幼女先輩の頭に軽くチョップを入れる。素直に謝ってくれたので深掘りすることなく、入場する。
「人多いなぁ」
「さすが、オープンしたばかりの施設だね。なんかアトラクションしなくても楽しめそう」
入場した私たちが見たものは、見渡す限りの人であった。やはりオープンしたばかりであるためか、入場者数が多い。
「先輩。手を繋ごうか。はぐれると悪いし。」
「え、私、誘われてる?」
「小さいから、はぐれると見つからなそうだからよ!」
詩音がくねくねしながら冗談を言ってくるので、少し乱暴に手を繋いだ。
「え。ずるい。僕もつなぐ」
「そうね。はぐれちゃいけないからね」
「私との態度の差よ」
凛音とも繋いで空いていそうなアトラクションから行ってみることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます