7話 卒業-1


「えへへへ~。お兄ちゃんもカッコいいよ! あっちの方も、村のおじさん達よりずっとおっきいし!」


 あ、っち……? 村の、おじさん……だと? んんん? おやおや? 気のせいかしら。気のせいですわよね? 気のせいとおっしゃって?


「か、奏さん? その、あっちというのは?」

「え? これ」


 そう言うと、奏は俺の股間を触る。


「か、奏さん? どうして……村のおじさんのコレを、し、知ってるのかなぁ?」

「だって……おじさん達、最近は毎日私のこと使ってたし。お父さんにお母さんが死んだ5歳の頃、お酒の担保で売られて村に行ってからは、本番こそしなかったけどいつもお口とか使われてたよ? 村の他の娘たちも同じ感じだった」


 父親に酒の担保で売られた? おじさん達が毎日使ってた? 村の他の娘たちも同じだった? ……やっぱ今すぐ根絶やしに行くか。ってか、そうなってくると見て見ぬふりをしてたとか、そんな程度の話じゃないな? さては。

 そもそも奏の言う村って、ホントに村か? 性奴隷の養成所的なとこじゃね。だって子供の頃からそこで育って、オッサン共に毎日夜の技を仕込まれてたってことだろ。


「……もう、村に居た頃みたいなことはしないで良いからな。俺が、絶対に守ってやる」

「おじさん達に使われてた時はすっごく嫌だったけど……お兄ちゃんにキスした時はすっごく気持ちよかったし嬉しかった!! だからお兄ちゃんだったら、全然良いよ? むしろシたい!」

「やめてくれえええええ!! 俺のことそんな風に思ってくれてるのはちょっと、いや、かなり嬉しいけど、お前はまだ14歳!!! しかも妹なんだぞ!! いや俺は超妹萌えだけど!! 実妹であろうと対象だったけど!! 本当に手出しはしなかったんだあ゛あ゛あ゛!! 許せ紗耶香あ"あ"!! 変態な兄ちゃんでごめ゛ん゛ん゛ん゛!!!! あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 思わず地に倒れ伏し、頭を抱え悶え叫ぶ。

 言ってはいけないことまで口走ってる気がするけど、もはや俺の口は止まらなかった。


「だ、大丈夫だよお兄ちゃん! 紗耶香ちゃんだってお兄ちゃんのこと大好きだった筈だもん! 多分、お兄ちゃんと同じ想いだったんじゃないかなぁ?」

「え……? なんで、そう思うの?」

「お兄ちゃんの眷属になって、お兄ちゃんの記憶が流れ込んできたの。その中で見た紗耶香ちゃん、お兄ちゃんのこと異性として好いてた気がするの。私の勘違いかもしれないけど……」

「そ、そうかなぁ……? なんかごめんなぁ~、奏~。さっきから情けない姿ばっか見せて。こんなんじゃ兄ちゃん失格だなぁ。はぁ」

「ううん! 全然そんなことないよ! そんなお兄ちゃんも大好き! 可愛い!」「へっ? あぁ……そういう。はぁ、まぁいいや。とにかく、奏が俺とそういうことしたかったとしても、お兄ちゃんは許しません!! せめて18歳になるまで待ちなさい!!」 

「えぇ~!? 私、お兄ちゃんよりずっと経験豊富だよ? 処理するの、大変じゃないの?」

「う゛っ、それでもですっ!! 俺のことは気にしなくていいから、もっと身体を大切にしなさい! いいね?」

「じゃあ私は? 正直今もシたくてしょうがないんだけど」

「はぇ? あ、そ、それは……ひ、ひとりで! どうにかして」

「むぅ……お兄ちゃんのケチ! アホ!」

「ケチ、アホ!? あのですねぇ!? お兄ちゃんは奏の身体のことを思って言ってるんですよ!?」

「それだったら……私の身体は、もうとっくに手遅れだもん……」


 俯いて泣き出してしまう奏。

 しかし、それはそうなのかもしれない。奏は5歳の頃から性奴隷の養成所と思しき場所で暮らしていた。純潔も、散らされてしまっている。

 身体の成長具合で、見極めていたということだ。これは独り善がりなのか? もう手遅れなら、俺は奏の望みを叶えてやった方が良いのか? だけど……。


「すればええやん。なんや歳のこと気にしとるらしいけど、この世界の女は14で成人やで。せやから奏ちゃんの村のオッサン共も使い始めたんやんか」


 一人考え込んでいると、クロがそう言ってくれた。


「へっ、そうなの? なんでそんなこと分かるの?」

「うち等は強者に従う武者の一族、言うたやろ? 人間の貴族っちゅう奴んとこに行ったのも中にはってのぉ。そいつから聞いたんや。ちなみにうちも出来る歳やで! なんやったら主より年上や」

「えっ? でも幼体って」

「あぁ、主解析スキル持ちやったな。まぁ大鬼オーガとしちゃまだまだ幼体やで? うち等は殺されん限り300年は生きるからのぉ。でも人間からすりゃ30言うたらかなりの歳やろ」

「……あ、そうすね。はい。いえ、まだまだお若いですよ? っていうか30なら守備範囲内っス」

「うっさいわ。ちゅうか主、結構守備範囲広いのぉ」

「ぶっちゃけ見た目が可愛ければ実年齢関係ないかも」

「そら、うち等からすれば好都合やな。エルフとかドワーフも喜ぶんやないか? あいつらも見た目と実年齢釣りうてないからのぉ」

「そっか……そっかぁ」


 それなら、良いのか? 奏が成人か。なんだかそう思った瞬間、先程までとはちょっと違うように見えてくる。って、やばっ!!?

 

「んっ/// あはっ。えへへ、ありがとうクロ! お兄ちゃん、おかげでその気になってくれたみたい!」


 俺の大きくなったソレを見つめて、クロに感謝を告げる奏。


「なんの。主の妹なら、うちのもう一人の主みたいなもんや。気ぃ遣うんは当然やろ? 遅くなったが、あん時は食おうとして済まんかったのぅ」

「ううん。良いよ! あの時は私も、食べられたってどうでも良いとか思ってたし。これからは家族なんだし、気にしないで良いよ!」

「そぉか、そら一安心やな」


 なんか奏とクロが仲良くなってるけど、俺はそれ所ではない。

 ほ、本当に良いのか……? 相手は妹だぞ。この世界では成人でも、紛れもなく14歳なんだぞ……? でもそれって、違う意味で合法ロリってことだよな。正直興奮しちゃう。ああ! でもダメだ!! 奏は妹なんだって!!


「お兄ちゃん。私は、紗耶香ちゃんじゃないよ……? 血は、繋がってないよ」


 俺にしなだれかかり、耳元で囁く奏。

 エロすぎんか……? 紗耶香に似た声で囁かれると、背徳感やら何やらでお兄ちゃん凄い興奮しちゃうんだけどやめてもらえませんか。

 く、くそぉ……俺はYESロリータ、NOタッチなんだ!! ここで誘惑に負けてGOタッチになってしまってはただのロリコンになってしまうではないか!!

 だ、ダメだダメだ!! 


「創哉ぁ……」


 耳を甘噛みして吐息交じりで囁いてくる奏。ほ、ホントに14歳なのか!? こんなんもはやエッチなお姉さんじゃないか!!

 あぁでも、そうだよな。この世界じゃ成人で、しかも子供の頃からずっと仕込まれてきたんだもんな。 


「ねぇ、いいでしょ……?」


 蕩けたような声で、蕩けたような顔で、再び俺と唇を重ねる奏。先程よりも更に激しく、奏は俺の舌をすすり、ねぶった。


 唾液が橋を架ける。


「~~っ!」


 その瞬間、ガラスが砕け散ったかのような感覚に陥る。

 あぁ、もうダメだ。耐えられない。いいさ。ロリコンでも。元々妹萌えで、実妹である紗耶香にすら興奮してた変態なんだ俺は。今更だ。


「本当に、良いんだな?」

「もちろん♡」


 俺はいつの間にか増えていた3000DPを全額支払い、キングサイズのベッドを購入すると近くに設置する。

 いつの間にか一人黙ってこの場を去っていたクロの気遣いに、心の中で今度礼をしようと決意すると、俺は奏を押し倒すのだった。

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