俺の声よ届け
狼男
第1話 はじめに
自分の年齢は20歳である。今どう過ごすかで今後の人生が変わってくる。自分は将来、小説家になりたい。そのために、日々文章を書く鍛錬を積まなければならない。それははじめてできた目標と言うものである。この夢を温めて、実現できる日が来ることを願っている。
***
僕は、自閉症と診断されている。言葉を話さない両親が病院へ連れて行って、診断がおりた。
それ以来、小学校は特別支援学級か普通クラスかで迷ったそうだ。2年間、特別支援学級にいて、それから、普通クラスに戻った。
中学時代は、将来、英語を使った仕事がしたいと思っていた。英語を話せる自分を想像していた。海外の人と話してみるのが夢であった。
高校に入り、自閉症の影響を強く受ける。友達ができなかった。輪の中に入ることはあっても、学校外の付き合いは皆無だ。異性とも話せない。このときの僕はなぜこういう運命を引き受けなければいけないのか分からなかった。人の痛みを知るためだったのかもしれない。僕は、そこそこ偏差値の高い高校に入ったことでうぬぼれていた。やればできる、努力至上主義に陥っていた。しかし、2年生の頃、鬱を発症した。精神科を受診した。薬を飲みたくなかったが、主治医に促され、しかたなく、飲むしかなくなった。高校で居場所を作れない。これは僕にとって大きな傷になった。そもそも環境が悪いのかという他責思考と同時に、こんな自分がクラスにいることが恥ずかしいという罪悪感にかられていた。
友達がいないので、移動教室は一人で行動していた。ボッチを回避できなかった。同級生からさんざんパワハラを受けた。「頭大丈夫か。なんで喋らんの。俺に当たり強くないか。」と言われることがあった。誰とも話せないことが自分にとって劣等感になった。頭の回転も日数が経つにつれて鈍くなっていった。あくびをしたら同級生に、頭を強く叩かれた。「あくびすな。」でも、言い返す勇気もなかった。ものを投げられることも多かった。日に日に強い言葉を浴びせられた。仕事を押し付けられたり、割り込まれたりすることもあった。学校から逃亡したくてしかたがなかった。実際学年の10人くらいが登校拒否をおこしている。うつになってしまった。
自分は、健康でいたかったのに。
俺の声よ届け 狼男 @shinshin4445
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