第25話 枝村議員の失脚
衆議院議員枝村志桜里は、それでも抵抗した。
「私が女性議員だから、そんなに厳しいことを言うの?」
「女性への差別なのでは?」
「確かにマナーにかける行為があったことは、反省します」
「だから、謝罪もしたでしょ?」
「いいですか?私は国会議員です」
「懸命にこの国に尽くしているんです」
「こんな程度の微罪で、出ていけって言うの?」
「そんな横暴極まりないことは、許しません!」
(お得意の金切り声を張り上げた)
取り囲んだ人たちからは、抗議が出始めた。
「女性云々の話でないでしょ?」
「差別とか何とか言う前に、簡単なマナーとかルールを守れないほうが悪い」
「こんな人に税金払いたくない」
「謝罪が、全く謝罪になっていない」
「微罪?人の首を絞めたんだよ、殺人未遂が微罪?」
「それが国会議員の認識なの?」
「左派系野党って怖いね、唯我独尊で相手を認めない」
「反対しかできないくせに」
「失言探しと辞任要求だけでしょ?」
「国に尽くすより、与党議員の失脚狙い」
「全く対案もなく、絵に描いた餅しか言わない」
「だから嫌われているのに、全くわかっていない」
「横暴?国会議員の圧力で殺人未遂を見逃せ、のほうが、横暴では?」
ようやく声が出せるようになった太郎は、枝村志桜里の正面に立った。
「今回の件は、久我不動産として、正式に公表し抗議いたします」
「警察当局と、マスコミ各社には、動画付きで通報済みです」
(枝村志桜里は、その顔を蒼くした)
「あの・・・何とかなりませんか?」
「今日のところは・・・」(後ずさりしている)
太郎は、首を横に振った。
「いえ、国会議員自ら、襟を正すべきと思います」
「それとも、国会議員だから、何をしても許されるとでも?」
警察とマスコミが、駆けつけて来た。
枝村議員と秘書二人は、警察署に出頭を求められた。(国会閉会中で断れなかった)
太郎も警察署に出向き、「被害届」を提出した。
各マスコミでは、「枝村議員と秘書の暴行」への非難が激しく炎上した。
「反対と非難だけの女性議員、秘書の思い上がりとルール無視、暴行」
「太郎先生が可哀想」
「正論を言って、足を踏まれ、首まで絞められ」
「それに抗議したら、枝村議員がお得意の女性差別を口にして逆ギレ」
「野党幹部も大困惑」
「女性代表議員は、暴力推進議員だった」
「首を絞めても微罪とは、どういう人権感覚?」
「人の痛みを知らないのは、あなたのほうでは?」
相次ぐ非難で、枝村志桜里の後援団体が、次の選挙での支援打ち切りを表明した。
また、所属政党(左派系野党)も、「公認しない」と発表した。
枝村志桜里は、完全に支持を失い、政治家引退を表明する以外に、何もできなかった。
また、コメンテーターも狙ったが、どの局も彼女の悪評判を懸念したので、仕事が何もない状態になった。
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