第5話 探し物
「ねぇ…神谷君?私の消しゴム知らないかな?」
休み時間、俺は困り顔の春川さんから消しゴムの行方を尋ねられた。
「ん〜…消しゴムってどんなやつ?」
さすがの俺も春川さんの胸に目は行くが、消しゴムまでは見ていない。いや…『見ていない』というよりかは『見えていない』が正しいのかもしれない。マジシャンとかでいう胸によるミスディレクションが発生してる可能性も高い。
「ピンクのキャラクターが書いてある消しゴムなんだけど〜…」
四つん這いになりながら机の下をくまなく探し始めた春川さん。気にしていないのか、大事なお胸が地面についてしまっているではないか。
なんともうらやま……腹立たしい。今すぐその地面を叩き割ってやりたい。
「春川さん、そのままだと制服汚れちゃうよ。俺が代わるよ」
見かねた俺は選手交代。春川さんが四つん這いになっていた机周辺の下をくまなく探した。
が…ない。
…どこか遠くまで転がっちゃったかな〜…
そう思った矢先だった。
「あ、あった〜!あったよ神谷君!!でも〜…」
後ろから心から喜んでいる春川さんの声が聞こえた。
しかし…
…でも?…
なんだか不穏な語尾…後ろにいる春川さんのもとへと向かってみると。
「あ〜…これは〜……」
俺も見て困ってしまった。
どこにあったか?
それはなんともまぁ、取りにくい…後ろにあるロッカーのロッカーと横と壁との狭い隙間。どうやったらここに入ったんだ?ツッコミたい気持ちが出てしまうが、確かに奥にはピンクの可愛らしいキャラクターの消しゴムが一つ狭い隙間に転がっているのが確認できた。
「取れるかなぁ?…」
「う〜ん…なんとか細い棒かなんかがあれば取れそうだけど……どうだろう?………うっっ!!」
隙間を見ながら疑問調に声をかけてくる春川さんのほうをふと見た時だった。隣…いや真隣にあったのは「なんでそんなに近いのっっ!?」とばかりの春川さんの小さな顔。少しでも視線を落とせば、きっとそこには大きな二つの大胸筋があるのだろう。
…見たい…
そんな誘惑が津波のように押し寄せては来たのだが。
…ダメだッッ!!!!…
自らを自制した。
「ん?」
首をかしげ、不思議そうにこちらを見てくる春川さん。「ん?」じゃねぇよ!」そうツッコミたくはなったが。
正直言おう。
…可愛すぎる…
そして…
「よし!取ります!」
その後、細い棒を探し出した俺は、どうにかこうにか春川さんの落としたとされる可愛い消しゴムを救出してみせた。
お胸の大きい春川さん Yuuki @yuki2963
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