第24話 戦隊ヒーロー.2
*
——え。
居ない⁈
何で?
どうして私は、いつも空回ってしまうのだろう。
私はただ、一生懸命やっているだけなのに。
慌てて周囲を必死に探すけど、鳴海君の姿は見当たらない。
今の状況が、全く理解できなかった。
私の鈍臭さに痺れを切らして、帰ってしまったのだろうか。ふわふわ思い出に浸ってしまったせいだ、と後悔と不安ばかりが募った。
それでも……、私に今できることは、とにかく探してみよう、それしかない、そう思って駆け出した。
はあ、はあ、と、一つ一つの呼吸に、心臓をぎゅっと掴まれる。部活の練習で追い込んだあともあってか、そろそろ足の限界が近い。立っているのも辛かった。
どうやら、ここにもいないみたいだ。
ひとまず、脇にあった石垣に腰を下ろした。座るのにちょうど良い高さで、数少ない街灯がひっそりと照らす。
神社の裏手の駐車場とあってか人通りもなく静かだった。車も数えるほど。近隣の道路は封鎖されているので、きっと関係者の人たちの車なのだと思う。祭囃子も少しばかり遠くに聞こえる。
私はスマホを手に取りメールを送る。結衣と帰宅の約束をした時間まで、あとわずかだった。
今日もミッションを果たせなかった。そう思うと何回もしょんぼりため息が出た。明日から頑張ろう、そう観念した。明後日も明明後日も全然自信ないけれど。でも、それしかない……。
そのときだ。頭を悩ませている私の背後から声がした。背中と肩に何かが圧し掛かってきたような。経験はないけど、世間によく出てくるパワハラ上司みたいな。そんな圧力のせいで、
「おい、お姉ちゃん、ひょっとして迷子か?」
私は恐る恐る立ち上がって振り返る。
え。子供? 私が座っていたよりも何個か上の石垣に男の子が座っていた。そして、なぜだかとても偉そうで貫禄がある。
「安心しろ! おれも迷子だっ」
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