12話 出会いにかんぱい
「うふふふん」
「投げ銭入ってますよ」
「ここの代金ぐらい、投げ銭で払えますよ」
ニナエルは、動画配信の収入に夢中になっている。
ふさふさおじさんの頭部をホテルの大理石にショタのふともも楽園ドロップで叩きつけた動画が、
もう反応があって、投げ銭が入ってるらしい。
異世界転生しても投げ銭かよ。
別に、俺は投げ銭が目的だったわけじゃない。
動画撮影や動画での収入の事はニナエルに任せておこう。
本人がもう夢中になってるし。
そういや、俺異世界転生しても、スマホ持ってたわ。
異世界とはいえ、通信会社の契約は前世のままになっている。
が、スマホの情報はほぼほぼ空っぽになっていた。
前世での連絡先なんかは残っていなかった。
「出会いに」
「かんぱい」
ふさふさおじさんと、ショタ天使アゼル君が出会いにかんぱいしている。
「おい、ニナエル」
「スマホばっか触ってんじゃねぇよ」
「そうだよ」
「ニナエルちゃん」
「ちゃんと、出会いに乾杯しなきゃ」
俺達は、なんやかんやあって、4人で異世界の居酒屋にいる。
異世界の居酒屋といっても、あんまり前世と変わらないな。
「この居酒屋の代金は確保しないとなんですよ」
「そんなの」
「足りなかったらおじさん出すから」
「気にしないの」
「今はめでたい席なんだからさ」
「俺も自分の分ぐらいは出せるしよ」
「だめですよぉ」
「ここは4人で稼いだお金で飲食しないと」
「これは、桃園の誓いなんですから」
!え、なんでそんな事になってるんだ。
この2人、そこまで重要な立ち位置?
俺、チートスキルモンスターテイムAランク持ってるし。
モンスターをテイムしていくつもりだったんだが。
もう、この4人で義兄弟になって、
この4人が主力になるのか。
アゼルとふさふさおじさんと義兄弟になっても、まぁ。
それは構わないけどさ。
俺、ニナエルとは義兄弟になりたいとか、そんなんじゃないんだが。
「へぇ」
「悪くねぇ」
「俺はもう奪われちまったからな」
「そうだよ」
「ふさふさおじさんももうすっかり夢中だよ」
「おい、俺はアゼルの財布なんて探っちゃいないぜ」
「何言ってんだよこの大泥棒」
「俺は泥棒じゃねぇ」
「おいおい、俺の、天使の心をこれ程に奪っておいて」
「天下の大泥棒じゃなきゃなんだってんだよ」
「まぁ、タイマン終わったら友達っていうしな」
「友達って事で」
「よろしく頼むわ」
「ははは!」
「冗談きついぜ!」
「主」
あ、ああ?
俺が主?
チートスキルモンスターテイム所持したまま異世界転生して俺TUEEE無双。え?森蘭丸?沖田総司?男の娘ですよね。なんでテイムできるんですか 甘いからあげ @pankana
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