11話 「そのまま、ふさふさおじさんのふさふさした頭部を異世界のホテルの大理石に叩きつけます」


  「ちみ達お金ないの」


 小太りでチビでふさふさのおじさんが声を掛けてきた。


 「ええ、私達お金ないんです」

 

 「この倒れてるショタ天使君を休憩させたくて」

 「でも私達お金ないし」

 「困ってるんです」


 「そうなのかい」


 「じゃあ、ふさふさおじさんがホテルのお金払って」

 「そこのショタ天使君を介抱しておいてあげるよ」

 「ホテルの中で2人でね」


 「そうですかぁ」

 「私達2人のお金まで払ってもらうのももうしわけないですもんねぇ」


 「小太りふさふさおじさんの首をふとももで挟みます」


 「!むほぉ!」

 「これは!ショタ天使ではないが!」

 「ショタのふともも!」

 「私は今、ショタのふとももに挟まれているぞ!」


 「動画撮ってますよー」

 「異世界で動画配信してお金を稼ぎましょう」

 「これはバズりますね」

 「報酬は4人でわけましょう」


 ニナエル、スマホ持って異世界転生したんだな。

 俺もスマホ持ってるのかな。

 後で確かめよう。


 「ふさふさおじさんの背中で両手を結びます」


 「ショタに、抱かれている!」

 「私がショタを抱いているのではない!」

 「私が、ショタに抱かれているんだ!」


 「そして後方に大きく飛び上がり」


 「そのまま、ふさふさおじさんのふさふさした頭部を異世界のホテルの大理石に叩きつけます」


 「はい、これだけで」

 「ふさふさおじさんの頭部を大理石に叩きつけられました」


 「皆さんわかりましたか」

 「簡単でしたよね」

 「自分や家族、友達がね」

 「おじさんにホテルに連れ込まれそうになった時とかは」

 「こうしてホテルの大理石に頭部を叩きつけるんですよ」


 異世界のwifi規格とか、通信会社とかどうなってるんだろうな。

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