9話 「なんで弦太は異世界転生したんですか」
「ホテルで休憩するにしても、俺達金あるかな」
「俺、ショタ天使君をお姫様してるから」
「ニナエル、確かめてみて」
「はいはーい」
「所持金オープン」
「あ、そんな感じでいいの」
「ステータスはステータスオープンじゃん」
「それと同じようにしようとすると」
「所持金はえーっと英語で?ラテン語?ギリシャ語?」
「知らねぇよんなもん」
「私もわかりません」
「だから、これでいいんです」
「気持ちですよ気持ち」
「天使の気持ちに、この異世界のシステムが答えないわけありません」
「天使は偉いからです」
「えっへん」
「私、偉い」
「ニナエルは人間だけどえらいよ」
「えらいえらい」
「あ、なんかそれらしいのが出てきましたよ」
「えーっと、0円」
「私、無一文です」
「あー、そう」
「んじゃ俺の方見てみるわ」
「所持金オープン」
それっぽい画面が出てくる。
えーっと。
「0円」
「俺も0円って書いてある」
「うふふ」
「私達、無一文なんで」
「ホテルに泊まれませんね」
「でもでもでも」
「私とショタ天使君はお金がなくても休憩できるんじゃないでしょうか」
「天使の休憩所って書いてあるぐらいですし」
「いやー、無理筋でしょ」
「ニナエルは人間だし」
「無理って誰が決めたんですか」
「やる前から無理って決めるなら」
「なんで弦太は異世界転生したんですか」
!
確かに。
なんで俺は異世界転生したんだ。
無理だと諦めるなら。
前世で諦めていれば良かったじゃないか。
諦めきれないから。
異世界転生したんだろう。
「ニナエルの言う通りだ」
「やってみますか」
「その意気ですぅ」
「このホテル、看板に天使の休憩所って書いてるし」
「この倒れてるショタ確定天使君休憩させてくれないかって」
「あと、人間2人も看護訳でって」
「人間は1人ですよ」
「走ろう」
俺は、走りだしていた。
スタミナ35でもAGIが20でも、俺は走ります。
俺は走れます。
「私は飛んでいきます」
「俺達は走り出したんだ」
「この異世界で」
「私は飛んでます」
「ぱたぱたふんふーん」
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