8話  あ、この感触、ショタだわ


  ショタ天使の背後に回り込み、股をすくい、頭上に持ち上げる。


 あ、この感触、ショタだわ。

 

 そのまま、ショタである事が確定した天使と一緒に後方に倒れ、ショタ天使

の頭を地面に叩きつける。


 DEX・AGIが低いかと思いましたが。

 DEX30AGI20でもなんとかなるものですね。


 「な、あのロリっ娘は人間だろ」


 「おーい」


 返事がない。


 「俺 WIN!」


 「YOU WIN!」


 近づいてきたニナエルも、俺の勝利をアナウンスしてくれる。


 「で、このショタかもしれない天使君はなんて言ってたんですか」

 「やっぱり、私って天使っぽいですよね」

 「天使ですよね天使」

 「ふんすふんす」


 ニナエルは、少し興奮してきてふんすふんすしている。


 「いやそれがさ、返事がない」


 「弦太が頭を地面に叩きつけるからでしょう」

 「弦太が悪いんですよ、もう」

 「天使も人間も、頭を地面に叩きつけられたら」

 「倒れてしまうんですよ」


 「えー、俺が悪いんですかこれ

 「俺、何も悪くありませんよね」


 俺は、何も悪くありません。

 俺は、異世界でも幸せにやってます。

 ようこそ、異世界。


 「あとさ、この天使君ショタだったわ」

 「感触で分かった」


 「そうなんですか」

 「まぁ、それは仕方ありませんね」


 「なー、仕方ないよなー」

 「確かめようとして触ったわけじゃないし」


 「とりあえず、このショタ天使君をなんとかしないとな」


 「そうですね」

 「弦太のせいで倒れてしまった天使君を」

 「放っておくわけにはいきません」


 「ほら、ちょうどあそこに都合よくホテルが見えます」

 「看板には」


 「天使の休憩所って書いてますね」

 「天使っぽい私にも」

 「ショタ確定した天使君にも」

 「ぴったりの休憩所ですね」


 「あー、そうだな」

 「天使だって休憩していくよな」


 ショタ天使君をお姫様抱っこし、ホテルに向かって歩きだした。


 異世界、ちょろい!


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る