偶然助けた女の子がヤンデレで付きまとわれる事になったけど、ふわふわ天然の先輩にヨシヨシされながらも、引きこもりの妹を人気Vtuberに押し上げるハーレムラブコメ。
第12話 披露宴 in トイレ(feat.白百合春乃)
第12話 披露宴 in トイレ(feat.白百合春乃)
色々あった今朝の出来事を思い出しつつ家の扉を開けるとそこには、案の定白百合さんが立っていた。
それを受けて俺は、彼女に問いかける。
「白百合さん? こんな時間にどうしたの?」
「夜分遅くに失礼いたします。先ほど、メッセージアプリにて連絡をしたのですがいつまで経っても返信がなかったので、もしや晴様の身に何かあったのではないかと思いまして、確認にきた次第です」
「あー、ごめん、さっきまで作業に集中してたから確認してなかった。せっかく来てもらったし、その送ってくれた話を聞かせてもらってもいい? あ、とりあえず中へどうぞ」
「いえ、送った内容自体は手短に説明しきれるものですから、玄関までで充分です……と言っても、晴様がわたくしと二人っきりになり、今朝のようなものをもう一度見たいとおっしゃるのであれば、どのお部屋にでもついて行きますわ」
そうして『今朝のようなもの』と言われて俺はつい、ちょうどこの玄関で白百合さんに見せられた、彼女の胸を包んでいるかわいらしいピンク色の下着の事を思い出してしまった。
そして、そんな俺の様子を見て察したのか、白百合さんは上目遣いで語りかけてくる。
「その顔、今朝の事を思い出していただけているのですか……? ふふ……晴様のお顔を見ているとわたくしも、精一杯羞恥に耐えた記憶と、驚いている晴様の可愛いお顔を思い出してしまいますわ」
「いや、ほんとにごめん。下心を表に出すのは失礼だとわかってるんだけど、つい」
「いいのですよ。なにせ、あえて思い出していただけるような言い方を選んだのですから。そうやって、いつでもわたくしのことを思い出してくださいな」
そう言いながら白百合さんは、我が家の玄関に足を踏み入れた。
そして、それと同時に小声で呟いた。
「ただいま帰りました……なんて、うふふ」
そうして、なんだか気分の良さそうな彼女を見ていた時、ふと俺の部屋で待っている二人を思い出した。
「そうだ、妹と……姉も二階にいるけど、呼んでこようか?」
「いいえ。今ここで聞いていただく必要はありません。ですから話をしたうえで、もし伝えることが必要だと判断された場合には晴様から伝えください」
「わかった。それで、その話って?」
「晴様は今現在、ここから二百メートル程度先にあるコンビニでアルバイトをしていらっしゃいますよね」
「……なんで知ってるのかは分からないけど、そうだよ」
「ですが、そのアルバイトだけで生活を維持するのは大変でしょう。ですからわたくし、晴様に新しいアルバイト先を提案しにきたのです」
確かに、ルリ姉の両親伝いに家賃は安く借りれているものの、そのほかにも生活費がかかっているし、より高い給料がもらえるのなら魅力的だ。
それに、この子はどうやらお金持ちっぽいし、なにか金マニア特有の情報を持っているのかもしれない。
(……まだ若干、彼女の事が不気味ではあるけど決して悪い子じゃなさそうだし、ここはとりあえず話を聞いてみるのがいいだろう)
そう考えて俺は、白百合さんに問う。
「一旦、その内容だけ聞いてもいい?」
「概要だけ説明すると、晴様にはわたくしの出す課題に答えていただいて、それを成功させたら報酬が出るというお仕事になります」
「課題? 例えばどんなやつ?」
そんな俺の質問に、白百合さんは少しだけ考えたような様子を見せた後で返答をしてくれた。
「そうですね……明日からでも始められるものを挙げますと『わたくしと一日一緒に過ごす』というものがあります」
「な、なるほど……?」
「ちなみにお給料は一日で五万円です」
「高っか!」
そんな、あまりにも高すぎる日給を提示されて俺は、つい疑ってしまう。
(……もしかしてこれ、白百合さんと一緒に法律的によくない葉っぱを育てるバイトとかじゃないよな……?)
そして、それと同時に学校にて彼女が、瞬きもせずにこちらをじっと眺めていた事実を思い出して、あれがお薬でキマっていたからこそできた芸当であるという可能性が頭によぎった。
しかし、その仮説は白百合さんの発言によって、喜ばしいことにすぐさま否定される。
「勿論、危険な行為は一切ありませんし、わたくしから何かを指示することはございません。あくまでも、わたくしと一緒に日常生活を過ごしていただくだけです 」
「ああ、それは良かった……あ、一応聞いておくけど、一緒に過ごすと言っても流石にトイレとかは別でするんだよね?」
「へっ!? そ、その、晴様はわたくしのお手洗いに興味がおありなのですか……?」
そんな白百合さんの反応は、彼女が俺の言葉を何か変なように解釈してしまった事を予感させた。
そして、その予想は的中していたようで、露骨に彼女は焦ったような様子を浮かべながら、ワタワタと語りかけてくる。
「わ、わたくし、晴様にそのようなご趣味があるとは存じ上げず、ましてやそのような性癖が存在しているだなんて、まるで想像もしていませんでしたわ……ええと、わたくしは晴様が見ている前で……その、すれば良いのですか……?」
「違います、断じて違います。流石にトイレくらいは別でしていいんだよねって聞きたかったんだよ」
「な、なるほど……それは勿論ですわ。しかし……覚悟とは、いくらしたと思っていても足りないものなのですね……勉強になりましたわ」
そんな事を言いながら、とりあえず納得をしてくれたような態度をみせる彼女であったが、少しだけ考え込んだ後になぜだか頬を赤く染めながら、再度こちらに言葉を投げかけてくる。
「その……もし本当は興味がおありで、いざ見ていただくとなった際にわたくしが
「具体的な話はやめて! 二階に家族もいるんだから!」
そうして、なぜかトイレの性癖トークで話が弾んでしまった後で、彼女はふと思い立ったような様子で新たな提案をしてくる。
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