薬草採取クエストなんだよ【4】
さて、初めて神装形態を扱って、これが二回目の使用…なんてことはない。だってせっかく切り札があるんだぜ。どんなことができるかの確認をするのは必須だろ?
で、確認をした結果、こいつは性能が強力な反面いろいろ制約があることがわかった。まず、現状ではこいつを使えるのは1日に1回まで。理由はガイアいわく信仰不足とのこと。
次に、神装の持続時間。これは安全に使用できるのは1分間。使用後のことを考えなければ2分間といった具合だ。これは神装状態の間、俺の身体能力が限界を超えて上がるのが要因。いや、効果中は問題ないんだけど、その後の反動がやべーのなんの。
で、最後が産み出せる武器の回数。つまり【混沌変換《クリエイト】が使える回数なんだけど、これは3回まで。それ以上になると、俺の魔力がもたない。
「でもまあ、この程度の相手なら30秒も要らないけどな!【
生み出した拳銃内部の
「派手にやろうぜ
「お任せなんだよ!私の力はすべて
景気づけに俺はトリガーを引く。放たれた弾丸は俺の意思に従い空中で停止。圧倒的な力で周囲を吸引を始める。
「キャン!」
良し!アーミーウルフを2匹の無力に成功!
「ウォーーン!」
しかし後ろに構えたボス野郎の呼び声で、すぐさま追加のアーミーウルフが現れた。だが、何匹呼ぼうが関係ない全員縛りつけてやら!
俺は重力の影響を受けないことをいいことに、前に出ながら弾丸をばら撒く。途中、それでも近づいてくるアーミーウルフもいたが、その辺は蹴りと銃身で殴り飛ばして無理やり力場へと投げ込んでやった。
そして神装を展開して20秒が経過。その間に生み出した力場は5か所。そして相手の戦力は…
「お前だけだぜ!名前も知らないボス犬!」
「多分、コマンダーウルフだよアルっち!ランクはDだったはずだし」
「グルル!」
ボス狼ことコマンダーウルフが満を持して前に出てくる。しかし、お前がのんきに構えてる間にこちらはお前を倒す準備は完了している。
「【
俺はこの場で唯一守るべきシルビアの横で
「きゃー…あれ??」
なお、神装の効果で生み出した結果は周辺環境や味方に影響が出ない新設設計。正しくは俺が味方と認識した相手だったりするが、今は詳細はいいだろう…まあ、普通の魔法だと攻撃対象を指定して範囲攻撃をするのはかなり上位の技術らしいので、何も知らなければ、シルビアの反応になるんだな。うんうん
「冷静になる前に謝るんだよ!」
ごもっとです!すんません!
「驚かせてすまん。大丈夫か?」
「よくわかってないけど大丈夫だし☆むしろアルっちの方がやばそうじゃん?」
「まだ大丈夫。だけど制限時間が近いんだ。なので!」
俺は失礼を承知でシルビアを横向きに抱き抱える。
「ちょ!さすがに恥ずかしいんですけど!!」
「アル!さすがに段階を踏むべきなんだよ!」
「うん、わかってました。でも、既に40秒経過してるんです。マジで時間がないんです!今回だけは許してください!お願いします!この通りです。」
「うー!間違いなく一番安全なのがアルっちの傍なのは理解しているし。うん、背に腹は変えられないね!でも、アルは後日、私とガイアっちにケーキをおぼること!いいね!」
「アル!しっかりシルビアを守るんだよ」
なんでガイアも何て聞かない。ただ、甘んじて俺はこの要求を飲むのだった。
「ああもう!固すぎ!」
「当然だ!ガーデンベアーはランクC相当!俺たちよりも格上だ!」
「そんなことはわかってるって!」
Cランクの魔物。それはつまり、Cランクの冒険者がパーティーで倒すべきと判断される魔物。対して私たちはDランク。力の差は明確だ。
「でも、それは諦める理由にはならないよね!」
「は!確かにな!【シャドウエッジ】!」ペラペラ「【バインドチェーン】」ペラペラ「【シャドウランス】!」
フィリップ君も得意の断章魔術を発動させている。普段は「対応したページ開くのが面倒だ」って使わないんだけ、今はそんなことは言ってられないしね。
でも、私はページを次々変えながら、高速で魔法を扱うこのスタイルが好きなんだよねー♪普段から使って欲しいなー、なんて♪
「ルルちゃん!私たちも見せるよ【残火共鳴】!」
瞬間、ガーデンベアーが燃え上がる。【残火共鳴】は私たちが与えた切り傷を一気に燃え上がらせる技。一つ一つは弱いけど火元さえ増やせば、ほらこの通り!
「なんだけどね?どうしても平気な顔してるかな?」
「どうやら、背中の花の蜜で消したようだ。お陰で周辺が甘ったるい。レイブン!」
「カァー」
フィリップの相棒である、グリードクローのレイブンが周囲の風を集めてそのまま飲み込む。飲み込む瞬間レイブンの腹部がびっくり膨らむが、次の瞬間には元通り!いつ見ても不思議だよ!
「さて、仕切り直しだ。…って、それはいささかずるくないか?」
「うわーこの音はヤバイね。間違いなく大量だ…これだけ要るなら蜂蜜食べ放題?」
「シルビアが喜びそうだ。すぐに呼んできたらどうだ?」
先はどの蜜に釣られたフォレストビーの羽音が森に響く。こいつら強くはないんだけど、群れで来られるから厄介なんだよね。ルルは対単体性能に特化してるし…、フィリップ君は大分魔法を使ってるしで、結構ピンチかも。
「あれ?サイレントバタフライはどこに?」
「コレっち!道空けてー!」
「シルビアちゃん!?それにアルさんも!」
え!?なんでシルビアがお姫様抱っこされてるの?というか、アルさんってこんなに力あったの?私の疑問は尽きないが、状況は進んでいく。
「フィリップさん!時間がないのでひとつだけ!この周辺に要る味方は!」
「こっちもいろいろ聞きたいが、後でにしてやる。味方だったな!この四名以外だと俺の肩に要るレイブン、あとルルだけだ!」
「デコも要るし!」
あれ?冷静でないのは私だけ?
「了解!結構派手にやるけど、多分怪我はないはず!」
「うちが五体満足だから多分大丈夫だし!」
待ってシルビアちゃん!それはつまり、大丈夫じゃないと私たちは五体を失ってことですか!?
「了解。そんじゃ、【
なんか、突然産み出されて、突然色が代わました。しかも2回ぐらい握ったら今度は消えていきます?
…ってなんか周辺が大変なことになってます!フォレストビーさんがお団子に。あ、今ベチャッて!ベチャッてなりました!アルさんが何かしたんでしょうけど、何をされたのか全くわかりません!
でも、ガーデンベアーは背中の植物を操りキリングゾーンからは退避してます!まあ、自身を固定してるので今は動けなさそうですが!
「【
そんなクマサンを飲み込む閃光の一撃。私は、ただ呆然とクマサンの冥福を祈ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます