第41話

すっかりいつもの日常に戻ると思っていたけれど、文化祭で自分のクラスや隣のクラスと交流を持った事で文化祭が終わった後の学校では小さな変化が待っていた。

雑談をしたり、授業でレポートや実験をする時に班決めで困らない程度には馴染めていた。


新しい日常に馴染んできた頃には、段々と彼女が学校を休む事が増えてきた。

彼女は隣のクラスだけど、文化祭で一緒に出し物をしたお陰で隣のクラスでも世間話をする間柄の生徒が増えて彼女の出欠も自然と耳に入るようになっていた。


心配になって彼女に連絡してもいつもの通院とだけ返事が来てひとまず安心する。

最近は彼女と病院の日程が被らず、詳しい事はわからない。

一緒に帰る時は、お互いその話題は触れずに、自然と明るい話題が多くなる。

十一月になり彼女から、「最近の検査の数字が変だったから検査入院をする」と聞いた。

だけど彼女は、予定を過ぎても退院しなかった。

その時には鈍い僕でも流石に異変を感じた。

彼女にお見舞いに行っても問題ないかをメールで確認をする。

それは入院していると病室で電話に出られないだろうからという気遣いじゃなかった。

彼女の声を聞いて、もしも自分の不安が的中してしまっていたらと思うと、怖くてメールしか送れなかったのだ。

彼女からは了承の返事と一緒に、病室の部屋番号が送られて来た。

いつも通っている病院の入院病棟で部屋番号を見れば詳しい場所は聞かなくてもわかると思われているのか別に理由があるのか他に説明は何もない。

実際に僕も入院は人並み以上にしているので説明は不要だった。

だからこそ入院しているのが大部屋ではなく個室の部屋番号でその事には経験から少しだけ嫌な予感かした。

それでも週末にお見舞いに行く事を決めた。






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