第2話 幸せはあっという間に忘れる
今を生きてるって興奮と喜びはあっという間に忘れるし、感じるのがすごい難しいです。
だからジェットコースターがあるんだろうし。
わたしはジェットコースターの恐怖で心臓が止まって本当に死んじゃうって思うタイプなので乗りたくない派です。
あ、また話が逸れちゃった。ごめんなさい。
お父さんと合流した時、お父さんは私が生きてることにすごい喜んでくれました。
「将来なにになってもいい。パン屋さんにだってなんだって」
いやパン屋舐めんなよって感じですよね。
だけど両親の教育方針はテストの成績第一でした。
私は中学一年間ずっと期末テスト一位をとるような子供だったし、小学校では公文式という塾で3学年上の勉強をしてました。
小学三年生では六年生の後半のないようを勉強するといった具合です。
楽しんでやってるんだったらともかく、先生に怒られるのが怖くてでも塾のやめ方がわからなくて続けてました。
そんな父親が当時の私の趣味をくみ取っていったのです。震災直後、いつ死ぬかわからないと感じたのでしょう。
「将来なにになってもいい。パン屋さんにだってなんだって」
わたしは本当に喜びました。
もう嫌なことはやらずにいいし、怒られることに怯えなくていいし、好きなことができる!!
中学二年生としての生活が、六月ごろから始まりました。
中学一年まで勉強していた貯蓄もあり、期末テストの成績順位はTOP10にかろうじて入るくらい。
わたしは「まあこんなものか」といった感じです。
中学二年になってからも真剣に授業を受けてたし自習もしてました。
けど一年生のときほど「二位になったら恥」なんて思うほど勉強してませんでした。
お父さんは満足してなかったのかもしれないです。
ある土曜日、良いところに連れてってあげるとお父さんがワクワクしているので姉妹で車に乗りました。
着いた先はなんと塾……。
『将来なにになってもいいよ』
と言っていたお父さんが、その想いをもう忘れている!
ショックでした。
学力テストのようなものを受けさせられ、国語100点、英語97点、数学100点で、これなら塾は回避できると思ったら何故か3教科とも受けることになっていました。
多くの親って子供にたくさん求めすぎちゃうのかも。
一回だけ行ったのですが、送り迎えはなぜかお父さんじゃなくてお母さん。
震災直後、やっと合流できた時は、
「非の打ち所がない素晴らしい妻です。ありがとう」
って普段言わない愛の言葉を言ってたのに!
お母さんをこき使っちゃだめでしょーがああああっ。
なに自分は楽してんじゃああああッッ。
この体験から学べることは震災直後に感じたことはすぐに忘れちゃうってことです。
「将来のことなんて何が起こるかわからない。人目を気にしたって仕方ない。今を生きよう!」
わたしも貯金好きだし、嫌なことはたまに我慢しちゃうし……。
けっこう忘れちゃいます。難しい。
だからせめて、知識としてでも覚えておきたいです。
数秒後(現実的は1時間後とかのほうが多いかな)に死ぬかもしれないから、現実逃避でネットだらだら見る必要ないなーとか。
生きちゃう可能性もあるから、せめて楽しんで勉強しようとか。
今のわたしは、たまにお菓子作りつつフリーランスやってます。
中学生のときと違うのは、お父さんに言い返せたこと。
親に反対されても、その意見に従う必要なんてないんですね。
まあ、子どものうちは養われてるから仕方がないのかな。
でも大人になったら怖くないです。乱暴な人だったら会わなければいいし。
そのくらい自分の人生大事にしないと、気づけば死んじゃいます。
嫌な走馬灯見ながらは死にたくないです。
わたしが震災のとき揺られながら見た走馬灯は、無理して通った中学校で(本当は不登校になりたかったです…)無理して一緒にいた友達にからかわれたりしてる様子です。
人間関係すごい苦しむタイプなんで、たぶん今がすごい楽しいんだと思う。
苦しい時もあります。
楽しそうなフリーランスの人をSNSで見て、さらに苦しくなります。
書きながら思ったけど、人と比べるからよくないのかもしれないですね。
「自分は自分。人は人」って言い聞かせながら、震災のとき奇跡的に得た悟りを逃がさないように生きていきたいです。
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