ダンジョン動物園、開園しました! ※16歳以上。Bランク以上の冒険者のかたで、可愛いモンスターたちと遊びたいかた。アットホームな職場で働いてみませんか?
31 駄々っ子冒険者さんは強制排除したらいいもんね配信
31 駄々っ子冒険者さんは強制排除したらいいもんね配信
「レーナ姉ちゃん、オッケー?」
「OK」
「こんにちわー。今日はねえ、完成した空中庭園と遊歩道の紹介配信です。空中からの眺めはこれから整えていくんだけどね。それではご覧くださーい!」
:思ってたより早い!
:おおー、景観はこれからって言うけど、今でもいいじゃん!
:空中遊歩道か・・・高さもそれなりにあるし結構怖いな?
:迷路はやめたんだね
:遊んでみたい!
「そうそう。迷路はねえ、飛行組の邪魔になりそうだからなしにしたんだ。そして足場の下には落下防止の床があるからダイジョブです!」
落下防止の床はマジックミラーみたいなシステムになってる。なので上から見ると透けてるけど、下や横からだと足場があるって分かるようになってるよ。
だからチーちゃんたちも、ぶつかったりしないのだ。
「上から以外は少し色のついた壁に見えるようになってる」
「モンスターのみんなをエリアで分けるってこともできるけど、みんな一緒に遊んでて欲しいからね。なるべく邪魔にならない感じにしたんだ」
はっさくやちょこちゃんたちフェアリーバットのみんなが止まれるように、足場の下にはつかまるところを付けてるよ。
そしたら孫くんたちが
「じゃあ実際に歩いてみましょー!」
UFOに乗り降りするみたいな光るエレベーターを紹介しつつ階段に。
花ちゃんはもうちょっとあとでね。
たぶん……絶対乗せてもらうことになるからさ、待ってて。
「虹の階段とか虹のスロープも結構いいでしょ? ファンタジー味は大事にしたいんだよねー」
:ベイトリスザルは色々できるヤツらだなあ
:キャトラレ体験w
:分かるよー
:分かってあげられるよー!
みんな分かってくれるみたい。
仲間っ。
ただ、モンスターのみんな用に作ってるから、僕にはチョットキツイんです。
3分の1くらい紹介したところで、予定通り花ちゃんに乗せてもらった。
「人間には……おツライ…………アトラクションとなって、ますー、ひぃハァ」
:赤ちゃんモンスターと走り回りたいね!
:ガンバレ太一くん!
:俺たちなら存分にモンスターの相手をしてあげられるぜ
:任しておけぇぃっ!
あ、冒険者さんも空中遊歩道でモンスターたちと遊びたくなるか。
そりゃあそうだったなあ。
んー、時間を分けて入れるようにする?
ダンジョンの設備で冒険者さんのランクは分けられない。
最初は1層の子たちだけ入れる時間を取って、あとから2層の子を入れる感じ?
そのタイミングでCランクの冒険者さんに出てもらえば平気かな?
「モンスター以外を排除システムはあると思うし、駄々っ子冒険者さんは強制排除したらいいもんね!」
:草ぁw
:僕いい子だもんね!
:駄々っ子冒険者wwwww
:wwwwwww
:信用がないの?俺らw
「ま、万が一のヤツだ、よ? 万が一ぃっ」
そんな雑談をしながら花ちゃんに連れられて空中遊歩道を散歩しながら空中庭園に侵入っ。
和風とファンタジーの合体でできてるここは、僕のオススメスポットだよ。
松とかもクネクネしてて雰囲気を出してるんだ。
あといい感じの岩でしょ?
それに小っちゃいけど滝もあるよ。
「そして絶対いる白い砂利にウニョウニョの模様」
:お、おう
:素晴らしきファンタジーの世界だよ
環境適用の機能が働いてるみたいで、砂利の模様も治してくれた。
おかげでいつもカッコイイをキープできるんだ。
:高級和風旅館だね!
:お泊り可能な施設?
:イイヨイイヨー
レーナ姉ちゃんがピックアップしたコメントに返事。
「残念ながら宿泊施設はないです。思いついてなかったので」
それに……不公平も生まれそうだもんね。
っていうと確かにってコメントが流れてく。
「でも空中庭園の和風旅館かあ。チョット考えちゃうなーっ!」
:考えちゃう来ちゃ
:恩恵を受けられるのは果たしてッ!?
:Dランクにも希望をくださいーー!!
:一般人にもッ!!!!!!!
そうだよねえ。
冒険者さんだけが泊れる施設っていうのも微妙かなあ。
普通の人も泊まれるようにならないとさ、人を雇えないよね?
ダンジョンの中だしさ。
「あれ? でも旅館の人たちを雇うのってどれくらいお金がかかるんだろう」
「人を雇わなくても、個人個人に任せれば問題ない」
「あ、ホントの旅館にしなくてもいいのか」
「そう」
「でもなあ、空中庭園だらけになっちゃわない?」
「そこが問題ね」
冒険者さんの数だけでも多いからねえ。
一般の人もってなると凄い人数になるよ。
そうなると空中の施設で空が埋まっちゃうかなあ。
「広くするか、新しい階層を作るか……迷うよねえ」
すぐにはできないから今後の課題ってことで。
空中庭園じゃなくてもってコメントも来たけど、空中にあるからいいんじゃん。
それは却下ですー。
「今日はこんな感じかな?」
「そうね。サンちゃんが池で遊びたそうにしてるから遊ぼう」
レーナ姉ちゃんがそんなことを言ったらズルイの連呼が始まった。
せめて見せろと。
「じゃあ孫くんたちと遊ぶ配信に切り替えまーす」
ベイトリスザルくんたちを引き連れて池に。
他の子たちは、まったり休んだり遊歩道で遊んだりしてるよ。
追尾カメラで撮ってるから、そのうち動画化しまーす。
そしてベイトリスザルくんたちの謎が始まった。
王様ごっこのヤツ……なんでそんなに好きなの?
「ジャンケンで役割決めてんのも驚きだし」
「本当に賢いわ」
キィ~?って言いながら不思議そうな顔してるけど、キミらのことだかんね?
ちなみに僕を扇ぐ役のほうが好きっぽい。
なんでかよく分かんないけど。
大きな葉っぱを頭の上に掲げて喜ぶ子2人と、ションボリと付いて来てる子たち。
謎だ。
あ、葉っぱで思い付いた。
船作って池に浮かべよう。
「みんなコッチコッチ、コッチ来てー」
笹船の作り方を見せてあげる。
長めの葉っぱを1枚。
端っこを折り曲げて3等分になるように切り込みを入れる。
その左右の部分をクロスさせたらオッケー。
反対側も同じようにしたら笹船の完成だよ。
「これを水に浮かべるんだ。みんなもやってみて」
長い葉っぱがやりやすいからねー。
みんなが葉っぱを選んでる間に、僕は葉っぱを巻いて草笛を作る。
みんなの船が完成したら鳴らしてあげるのです!
「器用ね」
「ねー」
草笛をプェ~と鳴らすと、僕をいろんな角度から見て観察してるよ。
「作り方はねえ、こう!」
葉っぱを緩ーく巻くだけです。
あとは穴の部分に息を吹くだけだよ。
フー、フーって。
「そうそう、口の押え方で出たりでなかったりするから調整してね」
僕らは泉に笹船を浮かべて、プェ~プェ~した。
冒険者さんは驚いてるみたいだね。
「賢いでしょ?」
:驚きすぎて声も出なかった
:ベイトリスザルのおちょくりが腹立たしいのは頭の良さからかッ!
:平和でカワイイが詰まってるベイトリスザルが見れるのはここだけ!
「本来の彼らは人を小バカにすることに情熱を燃やしている」
:だよな!?
:憎たらしいんだっっっ
:俺は弁当の中身が砂利に変えられてたことを忘れやしないぞ!
:俺はスポーツドリンクが水になってた
:乾パンが全部一口だけ齧られてたッ!
:俺はジーパンのケツの部分だけ穴を開けられてた
なんか……イラっとするようなことするんだなあ。
みんなは不良になっちゃダメだよ!?
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