閑話 ねえちゃんと風呂入ってる?

藤宮春の弟、藤宮涼太は2年3組の生徒である。

そんな2年3組のとある昼休み。


「りょうたー!」

「なに〜?」

「ねえ、ちゃんと風呂入ってる?」

「え?…うん、入ってるけど」

「あっはははは!!! みんなー!りょうた、お姉ちゃんと風呂入ってるんだって!」


クラスメイトの男子がそう叫び、それを聞いていた男友達は一斉に笑いだす。

何が起きているのか理解できなかった様子の涼太を前に、最初に声をかけた男子とは別の男子が説明しに行った。


「りょうた、これはからかってるだけだよ。『ねえ、ちゃんと』と『姉ちゃんと』が被って——」

「うん、だから入ってるよ。僕、毎日お姉ちゃんとお風呂入ってる」


笑っていたクラスメイトはその言葉を聞いて一斉に黙った。

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