閑話 弟の日記


藤宮春の弟、藤宮涼太の担任をしている小学校の教員は、朝に提出された彼の日記を読んでいた。


『4月2日水よう日

今日はおねえちゃんとあそびました。

なにをしたかというと、ゲームであそびました。たのしかったです。

あそんだあとはいっしょにおふろに入りました。かたとか、足とか、もんであげました。かみのけをあらってもらえてうれしかったです。長いから、じぶんであらうのはきらいです。

おねえちゃんはやさしいからだいすきです。』


「……なにこれ尊いっ!!」


教師は思わず職員室で声を漏らす。

その声に他の教師たちも集まってきた。


「これ見てくださいよー」と彼が他の教師に涼太の日記を見せて以降、職員室では涼太の尊い日記を眺めるのが流行となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る