21 核兵器全面廃絶の国際


一つの声が、何もないところで生まれる。

誰も聞かぬ、だれも見ぬ、

けれどもその声は空を震わせ、地を裂く。

声は音にならぬ音をまとい、

無限の壁をすり抜け、どこへともなく飛び去る。


空には大きな影が一つ、

その影は形を持たず、ただ揺らめき、

風のない世界を漂う。

鳥たちは翼を閉じ、

翼の重さを知らぬ地平を踏みしめる。


輝く星々の下、

人々は目を閉じ、光の届かぬ夢の中を彷徨う。

その夢の奥、深いところに、

言葉を失った記憶が眠る。

記憶はいつか、時の果てに崩れ去る。

誰がそこに立っていたのか、

誰も知らず、何も伝わらぬまま。


鉄と炎が奏でた、無音の旋律は、

やがて空を彷徨い、

海の底へ沈むこともなく、ただ消える。


破片は降り注ぐ、光なき雨のごとく。

足元には無数の欠片、

それは瓦礫か、希望か。

言葉にすることもなく、

ただ人々はその上を歩み続ける。

足音は何も残さず、

消えゆく砂の道を辿る。


誰かが祈った、誰かが忘れた、

その願いはどこへ行くのか。

空は青く、無限に広がるが、

その青さは深く、触れることのできぬもの。

見上げる者は何も見えず、

下を向く者は何も残らぬ。


ひとつの叫びが、

無音の大地に響くこともなく、

ただ存在し続ける。

それは何のために、誰のために。


光が落ちる夜、

その瞬間だけ、世界は静寂に包まれる。

そしてまた、新たな一歩が始まる。

誰も知らぬまま、誰も気づかぬまま。

ただ空は、廃絶の夢を見続ける。

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