17 人生ゲームについて
人生ゲーム、それは無数のサイコロが宙を舞う瞬間。
重力に逆らい、白い面と黒い点が交差する、その無意味な舞踏。
進む先は、決して見えない。
道は無数に枝分かれし、希望の光は時に虚像となり、また時に現実を打ち砕く。
プレイヤーは駒を握りしめ、未来を夢見るが、その夢は風に乗せた紙飛行機。
どこに辿り着くか、誰も知らない。
道のりには、富もあれば、失意もある。
足元の地面は柔らかく、次第に消えていく砂のように頼りない。
誰かが隣を駆け抜けていく。
また誰かが立ち止まる。
笑い声も、泣き声も、時にただの音に変わり、遠ざかっていくエコー。
人生の駒は進むべきか、退くべきか、答えのない問いが波のように押し寄せる。
時には交差する道、手を取り合う者が現れる。
だが、その手は一時の幻か、それとも真実か。
道は再び分かれ、孤独という名の風が背中を押す。
その風は冷たく、心に染みるが、それでも歩みを止めることはできない。
サイコロは転がり続け、プレイヤーはその果てに何を求めるのか。
「勝者」とは、何を意味するのか。
ゴールの旗が揺れるその瞬間、何を感じるのか。
ただの偶然が導いた結果か、それとも意志の力が形作った運命か。
振り返れば、駒が刻んだ足跡は消えかかり、砂嵐に呑まれそうだ。
それでも、次のサイコロは振られる。
一つの終わりは、また新たな始まり。
人生ゲーム、それは問いかける鏡。
自らが何者であるのか、何を求めるのか。
進むべきか、立ち止まるべきか。
その答えは、風と共に消えていく。
そしてまた、サイコロは宙を舞い、無限の未来が広がる。
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