11 凍りつく復讐のちぎれ雲
凍りつく復讐を
誰がそれを裂いたのか、知らないまま
見上げた空は声を失い
冷たさだけが、心の端に刺さる
流れるべきものが止まった
風はささやかず、ただ無音の刃を投げる
言葉にならない感情が
氷のように重なり合い、融けることもない
復讐の色は、灰色
燃えることのない炎が、黒く揺れ
その温度は凍るほどに冷たく
触れるたびに痛みが走る
ちぎれた雲は、形を保つことなく
空に溶けるかと思えば
無情にも留まり続け
過去と現在を繋ぎ止める
そして、影だけが伸びていく
記憶の中に残された足跡は
何も語らない、けれど確かにそこにある
凍りついた復讐は、決して終わらない
それは静かに、冷ややかに、
凍てつく風の中で
誰かを待ち続けている
ちぎれた雲の彼方に
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