7 終わりなき屍者の手鞠歌


薄闇に揺れる ひとつの影

終わりなき夢を 織り続ける

赤い手鞠が 宙を舞う

その軌跡に 宿るは影

影に影が 重なりあって

音もなく 消えゆく声

忘却の森で 木々は囁く

「ここにあるのは ただの幻影」


屍たちの囁きは 遠い昔の記憶

手鞠をつく手は 震え続ける

壊れた手鞠の 悲鳴が響く

響く音は ただの風

風は歌う 終わらぬ旋律

響き渡るは 虚ろなる調べ

一度聞いたら 忘れることなし

その旋律に 心を奪われる


手鞠が回る 回り続ける

回る中で 姿を変える

ひとつの影が いくつもの姿に

幾重にも重なる 屍たちの輪舞

輪舞の中心に 赤い手鞠

転がり続ける 終わりなき道を

影が追いかける 手を伸ばして

しかし手鞠は その先へと

先へ先へと 進み続ける


影は疲れ果て 倒れ伏す

屍たちは眠ることなく 目を開ける

目は虚ろに ただ手鞠を追う

「ここにあるのは ただの終焉」


だが終焉など どこにもなく

屍たちは踊り続ける

踊りの中で 手鞠を追いかけ

追いかける中で またひとつ

ひとつの影が 現れし

その影もまた 追いかける

手鞠の歌に 心を奪われて

響く声は 虚ろなる響き

その響きは 風となり

風は再び 森を包む


薄闇に揺れる 手鞠の影

終わりなき屍者の 輪舞に続く

手鞠の歌が 響き続ける

「ここにあるのは ただの無限」

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