開いたり閉じたりできる能力

一言でいうなら鍵。展開次第で重要な能力にもできる気がする。

主人公用の能力に使えるだろうかと思ったが、少し扱いづらいような気もしている。

では、どのような人物にこの能力を与えるのんが適切か。それを考える必要がある。


作品を執筆するとき、登場人物の設定を考えているとき、どういう能力を使える人物なのかということを悩むことが多い。

それは役割に応じた能力を与えてあげるのがとても難しい行為だからだ。

強いだけの能力を扱いきれるだろうかという不安だったり、やっぱりこの子には別の能力がいいんじゃないかとか、行き当たりばったりで能力の設定を決めると後から必ず後悔する。

異能力が存在する世界観で、ただ異能力を持っているだけなら物語は始まる前から終わってしまっている。

なにか異能力を使わなくてはならない理由が存在しなくてはならない。

恐ろしいモンスターを退治するためとか、世界を支配しようとする組織に対抗するためとか、理由は様々だろう。

それらのような能力を使う動機は、多くの場合他者の存在がなければ成り立たない。

もし自分だけ能力を持っていて、その他大勢の人間は能力を持たないとして、そのような状況で主人公の思惑通りに物事を進めるとすると、それはどうだろうか。

その世界は世界という名の主人公にだけ都合のいい箱庭になってしまいやしないだろうか。

どんな作品を作るのも、どんな世界を夢想するのも作者の自由だ。

無論、こう書かなければならないというルールがあるわけでもない。

けれど、面白い物語を作るうえでの鉄則や約束事といったものは、明文化されているわけではないけれど確かに存在している。


では、能力モノの鉄則とはなんだろうか。

その一つとして考えられるのは、今しがた説明されたように異能力を使わなければならない理由や動機である。

より詳細に言えば、能力を行使するための敵である。

登場人物が一人しか存在しない小説は、探せばあるのかもしれないが、それを果たして小説と呼べるのかは私には分からない。

どのような内容で書かれた作品であっても、まず最初に人と人の関係というものがなければ成り立たないのである。

能力モノの面白さを引き立てるために必要な人間の関係性とは敵対的であることだ。

ただの美人が一人でいるよりも、隣に引き立て役となる人物がいたほうが、より美しく見える。物語性とはつまりはそういうことであり、敵という名のやられ役を用意してやらなくてはならないのである。


なぜわざわざこのようなことを書きだしたのかと言えば、この能力が物語上で重要な能力になると予感したからだ。

能力というものは作者の裁量次第で強くも弱くもできる。

この能力を強いものとして設定することもできるし、弱くすることもできる。


能力にわざわざ名前を付ける必要があるのか、常々悩んでいる私であるが、この能力に名前を付けるとしたら親鍵(マスターキー)と名付けるのが適切だろう。


この能力を一言で説明するとどのような扉の鍵も施錠開錠することができる不思議な鍵を具現化する能力である。

電子ロックだろうが、金庫のダイヤル式ロックだろうが問答無用で開けることが出来る優れものである。

明確に決めているわけではないが、こうした一人の人間の固有の能力を便宜上魔力と呼称している。

他の能力の項目にも書いたと思うが、能力にはいくつか段階があり、前述の能力は1段階目の物である。

では、この能力がなぜ重要なのか。

それは4段階目になり、ある条件が満たされると魔力の封印が可能となるためである。

魔力と魔法使いにはある重要な関係性があり、それは物語の重要なファクターである。

なぜ魔法使いは魔力保持者を狙うのか。

親鍵とは魔力保持者が魔法使いに対抗するために最も重要な能力の一つである。

ある条件を満たすことにより、魔力保持者へ魔力の封印と、魔力を開錠施錠するための複製鍵を授けることが出来るという能力。

きっと決め台詞に魔力開錠とかいうんだと思う。

この能力は親鍵単体では成立することが出来ない。

魔力遺物とは何なのか、その詳細は省くが、とある魔力遺物によって魔力保持者の肉体に【門】の刻印を施すことによって、魔力を封印するための機能を付与する。

それだけなら魔力が封印されて使えなくなるだけだが、親鍵の能力によって自由にその門を開け閉めできる複製鍵を魔力保持者に与えることで、必要な時だけ魔力を使うようにすることで魔力の○○現象を防ぐことができるようになる。

また、魔力の素質がある人物を開錠することで無理やり魔力に目覚めさせるということもできるが、所有者の過去の経験からこの能力を親鍵の能力の持ち主が使うことはないだろう。魔力の性質上親鍵は持ち主が○○に○○することが○○○○が、一度に○○の○○○○○に○○を○○することはないので、ほとんど○○○のリスクがないため、ステージ4に到達している能力ではあるが、○○○の心配はないだろう。

また、この魔力の保持者は魔法学院に指名手配されており、組織の最重要目標の一つにこの能力の保持者の保護が設定されている。


これが○○とは逆の○○であったのなら自身の肉体の枷を自由に開錠することによって火事場のバカ力を常に発揮できるといったこともできただろうが、○○であるためそれはできない。もっとも、○○であるのだから○○○○には○○○が。


前半に描いたことのほとんどは、能力とは無関係の内容であるが、この能力の詳細を考えるのになんとなく役に立ってような気がするため、ここに残しておこうと思う。

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