簿記あるある~右か左か分かりません~
でもそうなってくるとまた疑問が湧く。
「受取配当金とか‥‥左じゃあないんですよね」
「うん?左じゃない?」
「ええ、受取手数料もですし‥‥」
「‥‥‥?」
ちょっと困惑されてしまった。ああ、どうしよう?私の質問の意図がきっと分かってもらえていない。とうとう小さめの逆ギャップ発生かな‥‥?
「逆にお金が出て行く支払手数料は左に来るのが何でかなあって‥‥思ってて」
その瞬間、パッと閃いた感じがした。細く見える二重の瞳が一瞬クリクリお目目に見えた。
「ひょっとして、左に来たら増えて、右に来たら減るって覚えていないですか?」
うう‥‥御名答。そう、手数料が入ってくるから左に書くんじゃないかと思っていた。
「あの‥‥違ってました‥‥よね?」
私のバカっぷりはしっかり分かってもらえたであろう。一つ隠し事は無くなったとも言える。何とでも思ってください!
アホですか?アホですよね。私アホなんですよね‥‥そう思われてバカにされて予備校の先生の時みたいに見捨てられるのかなあ。。。
そう思われても仕方ない。彼とのレベルの差は雲泥だ。
「うん、それ、結構簿記初心者がやるミスですんでそんなに考えこまなくていいですよ」
またまたお日様のようにニッコリされて、すぐに曇る私の病みがちなメンタルを晴れ渡らせてくれた。
「そうなんですか?」
「それぞれの勘定科目にはホームがあるんです」
「ホーム?」
「ホームに帰ったら増えるんです。逆にアウェイに行ったら減るんです」
ホームというのは多分自分のところのグラウンド。アウェイは敵のとこ。。。それが左と右。。。うーむ、まだ分からない。
「簿記の中には五つの要素があるんですよ。それが『資産』『負債』『資本』『収益』『費用』」
それは先生が授業中に言っていたのを、そこらへんだけ覚えている。しかしその要素と、勘定科目がどう繋がっているのかが分からなかった。
「で、それぞれの勘定科目にはホームがあります。まず『資産勘定』は左。『負債勘定』は右。『資本勘定』も右。これらが貸借対照表というのを構成しています。ざっくり言えば、この右の『負債』と『資本』はどのようにしてその会社がお金を集めたかを意味するんですよ。例えば『負債勘定』の代表と言えば『借入金』。借金ですよね」
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