予備校時代のゴミ男たち パート2

その間に予備校時代の三人目の男の話をしておこう。



三人目、美人局計画。

もうこの頃になるとやることなすことうまく行かないから、髪の毛を金髪にして、きついメイクをしていた。お父さんからは目を逸らされ、お母さんには常に小言を言われ、阿須那からは、宇宙的と交信しているんだね。って言われていた。確かネイルもこの頃にはしていた。


同じ予備校生。もうそばにいてる男何でも良かった感じ。


こいつも金がなかった。

頼りもなかった。いないよりマシなレベルぐらいの男かな。


クリスマス前でみんな浮かれて、私はまた思うような大学に受かりそうもなく、その下のさらにその下のレベルでもダメそうで、正直誰でも入れるようなところしかもういけないレベルになっていた。


そんな時に知り合ったこの頼りないひょろひょろの男。

こいつも『金貸して、金貸して』やった。こいつは前の男のように詐欺っぽい使い方ではなく、どちらかといえば浪費癖と公営ギャンブル。


そんなもんスーパーで買えばいいでしょうがってものを平気でコンビニで大量に買い、文句を言えば、いつか競馬で返す、いつかパチンコで返す、という。


で、案の定行き詰まって彼の口から協力してくれと言ってきた案件がこれ。


美人局しようぜ、て。


クラブに行って適当に男を誘って裏路地にでも連れ込んだ時に俺が脅して金取るから、と。


アホかと。おまえみたいなんが、『俺の女に何してるんじゃ?!コラッ!!』言うたって何の恐怖もないし、多分逆にボコられて、私は犯されてしまう。

あるいは、おまえがボコられているの私がを助けてしまう、かだ。



諦めてもらったけど、彼は予備校を続けていく金が親から打ち切られて、運送会社に勤めだした。

スーパーに冷蔵食品を運ぶ運送会社。勤めて二日目だったかな‥‥ちょうど彼の部屋に居て、今日で関係を終わらせようかなって日に、彼は突然仕事から帰ってきて、私を一瞥したかと思えば寝だした。


『どうしたん?』と聞いたら、『面倒くさいから(指導している先輩を置いてけぼりにして)配達中のトラックで帰ってきた』んだって。


じゃあ、さよならって言って嫌な予感しかしない部屋から出ていった。

彼は引き止めもしなかったし、引き止められても逃げ切るつもりだった。


アパートの二階から階段で降りてきたら前の時間貸し駐車場に冷蔵トラック二トン積みが止まっていた。◯◯運送株式会社、と会社のロゴも入っていた。エンジンは止まっていた。


中の荷物ってエンジン止めても冷蔵機は動き続けるのかしら‥‥そうじゃなかったらと思うと、恐ろしくなってきて、走って逃げた。


後々、貸したお金の取立で連絡したけど、スマホも本人の都合で繋がらなくなり、アパートも引き払われていた。

貸付金:六八、三〇〇円。



一番割が高いのは家賃を一ヶ月分払わされたことだ。ホテルでするより安いやろ、って言われたが、ホテルでしてるほうが安かった。



このあたりで、私の親や祖父母や親戚から頂いたお年玉やお小遣いの貯金が底をついてしまった。



ダメな男と一緒にいると精神が蝕まれたり、自分自身も、良心やモラルを低下させてしまう。



そしてはっきりと分かるのは、経済的に、貧乏になってしまうということだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る