第6話 バラバラになった音色の欠片



ある日楓の母親から僕の家に電話が来た。


楓が学校に来てないと担任の先生から連絡が来たそうだ。

連絡もつかない、どこにいるのか分からない

と。


その日僕たちの学校は振替休日で休みだったため、僕は家にいてその電話に応じることができた。


僕はスマホと財布だけ持って、楓が行きそうなところを回ることにした。



まずいつも集合する駅

楓はそこにはいなかった。次に楓が行きそうなところに行ってみたが、どこにも楓はいない。



どうしよう、本当にいない…



僕は楓に連絡していたが、もちろん返事は来ない。電源を切っているのか、電話も繋がらない。




次に行く場所を考えていたその時だった。

楓から電話が来た。




「……っ!!!楓!!今どこ!?!」


僕は慌てて声をあげた。




「………おる…」






何かおかしい


楓はどこかいつもと違った







「かえ…で?どうした?」



「…てちゃった…」



「ん?」



「…捨てちゃった…」


「何を?」




「楽譜……全部……もう…いや」



「楓、今どこにいる?」


「今、家…帰って…きた」



すると電話の向こうでドンッと大きな音がし、楓はそれから何も話さなくなってしまった。


「楓…??楓…!?!今行くからね!?」


僕は急いで楓の家に向かった。

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