第4話 君から電話


今日もながーい学校が終わった…


僕はほっと一息つき、いつも通り今日も楓と帰ろうと思いながら携帯の電源を入れた。すると通知欄に楓からお昼ご飯頃に不在着信があった。



この時間帯、いつもなら学校にいるはずなのに…

何かあったのかな?

レッスンで学校休んだのか?



僕は疑問に思いながらも、楓に

どうした?

とだけLINEを送った。


その日楓は私服で僕の目の前に現れた。



「あれ、楓。今日学校なかった?」



そう言うと楓は目に涙を浮かべて何も言わずに僕に顔を埋めてきた。



「楓…?どうした?大丈夫?」



僕は心配になり楓の顔を覗き込もうとした。すると楓はぱっと顔をあげて


「疲れたぁーー!かおるん疲れたよ〜」


と赤い目で明るい声を発した。


「やーなんか疲れたなって思ったら泣けてきちゃった笑笑 心も疲れてるのかなぁ」


楓の手にあったのは定期とスマホだけだった。




「え、楓。今日レッスンだった?」


僕は楓の様子を伺いながら聞いた。

楓は僕の前を歩きながら振り返らずに


「うん。レッスンだった。だけど普通に体調崩しちゃって…レッスンだけ受けて学校は遅刻の予定だったけどお休みしたんだ。」


と答えた。



楓が今、どんな顔をしているのか分からない。

さっきの涙はなんだったのか。

僕はあまり深堀しない方がいいのかなーっと思った。何となく。


僕たちはいつもみたいに今日薫の学校であったことや楓の最近のレッスンのことなど色々話した。




楓の家まで送るのまでが日課だったから僕は楓の家の方へ歩こうとしたけれど、電車から降りて改札を抜けたら楓はその場から動かずに止まってしまった。


「楓?帰らないの?」


楓はどこか悲しいような笑顔を浮かべて


「うーーん、まだ帰りたくないや!」


と僕に笑いかけた。



「うーーん…じゃあ公園でも行く?」



僕がそう話しかけると楓は頷き、僕たちは楓の家ではなく公園に向かって歩き始めた。

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